ぶらりがく「ホタルの光を科学する!?」 ~ホタル活躍の場さまざま~
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東北大学理学部「ぶらりがく『ホタルの光を科学する!?』」が、昨年12月16日に本学理学部研究科合同C棟で開催された。今回は、本学大学院理学研究科の西澤精一教授が講師を担当。当日は13組20人が参加した。
「ぶらりがく」は、理学部で行われている研究の中で、より新鮮で旬な話題を市民に理解してもらうことを目的として月に一度開催されているイベントである。今回の「ぶらりがく」では、発光がテーマ。発光現象はなぜ生じるのか、発光のメカニズムについて化学の視点から西澤教授が丁寧に解説を行った。
発光には、ホタルの光に代表される生物発光と、犯罪捜査における血痕の鑑識などで用いられる化学発光がある。生物発光では、ルシフェラーゼという酵素により、ルシフェリンという物質が化学反応することで発光現象が生じる。
従来は、ルシフェラーゼを人工的に製造することは難しいとされていた。しかし、現在では遺伝子工学が確立されたことで、ホタルの発光現象を人工的に作り出すことが可能となった。その技術の応用により、結婚式やパーティーの演出に彩りを添えるなど日常生活の中でもホタルの光が応用されていることを西澤教授は紹介した。
西澤教授は化学発光のなかでも代表的とされるルミノール反応についても解説。ルミノールという化合物が酸化されることで生物発光のように発光現象が生じるメカニズムを説明した。
光のメカニズムの理論の解説だけではなく、ウミホタルやルミノール反応の実験を西澤教授が実演。参加者たちは化学反応によって生じる青白い発光現象に目を輝かせた。
西澤教授は最後に、現在行われている発光現象の応用研究を紹介した。参加者は、発光現象の理論や実験を単に学ぶだけではなく、楽しみながら応用研究に関する知見を深めた。