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【一言居士】―2016年12月―イグノーベル賞

 この世にはなんと膨大な学問分野があるのだろう。顕微鏡でも見えない小さな粒子から、無限に広がる宇宙まで。複雑な心の仕組みから、人間にはなし得ない能力を持つロボットまで▼9月29日に立命館大学文学部の東山篤規教授が、ノーベル賞のパロディであるイグノーベル賞を受賞した。研究成果は「股のぞき効果」。両脚の間から顔を出して逆さまに物を見ると、視覚に変化が生じるという。何ともユニークな研究だ▼イグノーベル賞は、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる。受賞する研究は実学的なものではない。しかしながら、聞けば笑みがこぼれ、誰かに話したくなるような楽しさがある▼無数にある学問の中には、役に立たないものがあっても良い。有用無用に関わらず、人生の幾ばくかの時間を、自分が面白い、知りたいと思える学問の研究に捧げられるのは素晴らしいことだ。そしてその研究が人を助けたり、笑わせたりできるのなら、なおさらだ。
(文責:片山)
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