【一言居士】―2017年入学お祝い―坂
https://ton-press.blogspot.com/2017/10/2017.html
川内、青葉山の両キャンパスは方々が坂に囲まれ、自転車通学にとって少々つらい。息を切らして上る人や諦めて押す人もいれば、電動アシストでやすやすと行く人も――。やっと上りきって駐輪場を見回すと、今度は止める場所がない。これもまた、日常茶飯事である▼川内への坂を自転車で立ちこぎしつつ、思い出す短歌がある。佐佐木幸綱の〈のぼり坂のペダルを踏みつつ子は叫ぶ 「まっすぐ?」そうだ、どんどんのぼれ〉。「そうだ、あと少し」と自分に言い聞かせ、ペダルを踏む足に力を込める▼今日から始まる新生活。不安や困難が至る所で生じるだろう。心配事も困ったこともすぐに誰かに相談し、話を聞いてもらうことが大切。「まっすぐ?」も、実は曲がらなくてはいけないかもしれない。「そうだ」と背中を押され、前向きになれることもあろう▼人生はよく坂にたとえられる。上り坂も下り坂もいく度となく乗り越え、人は成長する。悩んでもいい。しかし、悩んだときは悩みをしっかり話そう。その声にきっと誰かが答えてくれるはずだ。
(文責・越田)
(文責・越田)