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【ニュース】東北大学史料館など登録有形文化財へ ~帝大時代伝える校舎に評価~

(本学提供)
 東北大学史料館など片平キャンパスにある5件の建造物が、10月27日、国の文化審議会の答申を受け、登録有形文化財として新たに登録された。登録有形文化財への登録は本学で初めて。本学発祥の地である片平キャンパスの歴史的価値が評価された形となる。




 登録された建造物は明治から昭和初期に建てられた校舎群。東北大学の歴史を伝える史料館として利用されている旧東北帝国大学附属図書館閲覧室はロマネスク風のデザインが特徴。現在は本部棟として利用される旧東北帝国大学理学部化学教室棟は、昭和初めに建てられた大学校舎の好例であり、この二つは東北帝国大学時代の雰囲気を今に伝える。

 また、「魯迅の階段教室」として親しまれる旧仙台医学専門学校六号教室は明治期の木造高等教育施設の規範と認められた。社会連携推進室の佐藤秀樹室長は、「それぞれの建造物は年代も用途も意匠も異なる。それが本学の文化財の特徴であり、東北大学の歴史でもある」と話す。

 今回の結果にこぎ着けるまで、2年間かけて綿密な準備に力を注いだ。特に時間を要したのは、建造物の変遷を伝える記録探し。関連する部署と協力し、立地や増改築を示す古い図面、台帳などの収集に努めた。佐藤室長は、「何もしなければ埋もれてしまっていた史料。掘り起こすことで光を当て、整理することができた」と準備の成果を振り返る。

 答申を受け、佐藤室長は、「本学の歴史を伝える文化財の価値を学生、教職員に伝えていきたい」と話す。片平キャンパスは本学発祥の地。しかし、学生、教職員が訪れる機会が少なく、これらの建造物の知名度はいまだに低い。今回の登録を本学の歴史を再確認する機会につなげたいという。

 また、登録有形文化財は「市民共有の財産であり歴史でもある」と佐藤室長は強調する。市民が訪れやすいよう整備するだけでなく、これをはずみに社会との連携を築くことで「開かれたキャンパスづくり」を進めていきたい考えだ。
現在は公開に向けて環境整備などの準備を始めている。「今回の登録を機にぜひ片平キャンパスを訪れてみてほしい」と佐藤室長。東北大学の歩みを知る糸口として、今後、キャンパスの登録有形文化財が一役担う。
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