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もし天2017発表会 ~高校生が宇宙の謎を探る~

 「もしも君が杜の都で天文学者になったら2017」研究成果発表会が昨年12月29日に本学青葉山北キャンパス青葉サイエンスホールにて開催された。本イベントは仙台市天文台公式チャンネルからUstreamで全世界に生配信された。




 「もしも君が杜の都で天文学者になったら」(通称:もし天)は天文学研究を高校生に実体験してもらうイベント。今年で7年目の開催となる。作文審査を勝ち抜いて全国から集まった高校生16人が、四つの班に分かれて宇宙の謎についての研究テーマを自分たちで立案する。そのテーマに沿って、仙台市天文台が所有する「ひとみ望遠鏡」を使用して天体観測を行い、データの解析、考察をした上で研究成果をまとめる。この活動は6泊7日の合宿形式で行われる。

 発表会では各班が順番にパワーポイントを使って発表した。班ごとに発表30分、質疑応答15分の計45分の持ち時間が与えられた。質疑応答では来場者から鋭い質問が飛んだ。

 一つ目の班「katachi ~music&galaxy~」のテーマは、「銀河の様々な形に対して法則はあるのか?」。渦巻銀河と棒渦巻銀河の形の成因について、銀河のバルジ(中央部の膨らんだ部分)や棒構造が星の運動に影響を与えているという仮説を立てて考察した。観測から、バルジ内の星のランダム運動(気体中の分子のように頻繁に衝突して不規則に方向を変える運動)が銀河円盤の星の運動に影響を与えている可能性がある一方、棒構造の存在は銀河円盤の星の運動に影響を与えていないと結論づけた。

 二つ目の班「ムー」は「惑星状星雲と系外惑星の関係性の推測」をテーマにした。惑星状星雲にあるさまざまな色と形に惑星状星雲内の惑星がどう影響しているかを調べた。この班は惑星状星雲の外形に惑星の影響はないが中の模様には惑星からの影響があると考察した。

 三つ目の班「永遠のメリーゴーラウンド」は、「渦巻/楕円銀河の形の要因」をテーマに銀河が渦を巻くきっかけと銀河が楕円形になる理由について調査した。それぞれについて仮説を立てて調査したがどちらの仮説も否定された。

 四つ目の班「Moshi Green X(MGX)」は、「銀河団の観測によるインフレーション理論の検証 ~宇宙の始まりをさぐる~」をテーマにインフレーション理論の妥当性について検証した。インフレーション理論とは初期の宇宙が指数関数的な急膨張を引き起こしたという初期宇宙の進化モデルのこと。ダークエネルギーがあることを確認できたので一定の成果はあったがまだ不十分なところもあり、結論にはたどり着いていないと説明した。

 全ての班の発表後、どの班が最も良かったか投票が行われた。結果、優勝した「Moshi Green X(MGX)」には日めくりカレンダーが景品として授与された。班員は「優勝できるとは思ってなかったのでうれしいです」と語った。
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