【一言居士】―2019年1月―亥年
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年が明け、十二支の最後を飾る亥年となった。新年の華やかなムードの中、開幕を担ってしまったのは熊本での震度6弱の地震であろう▼開幕から災害が発生したわけだが、過去にさかのぼると亥年は大きな災害に見舞われることが多い。2007年の新潟県中越沖地震や1923年の関東大震災などが例に挙げられる▼一方で、猪は多産であることから、狩猟採集によって人々の生活が成立していた縄文時代において豊穣の象徴とされてきた。人間が農耕を始める弥生時代以前の「豊穣」であるから、縄文人は自然そのものからの恵みに対して感謝していたのだとも考えられる▼縄文時代の収穫物のみならず、現代の災害も広義の意味では自然から発生するものである。どうやらいのししという「豊穣の象徴」は、自然の生成物を何から何まで我々にもたらしてしまうらしい。それが過去の作物であろうが現代の災害であろうが▼新年早々、起こってしまった熊本の地震。亥年である2019年のこの先は、どうか作物の豊穣の年であってほしい。
(文責:中本)