【部活動】放送Nコン本戦進出 放送研究部 神田一成さん
「若者言葉は難しい」。父親のそんな独白で始まる30秒間が、第42回NHK全国大学放送コンテスト(通称・Nコン)音声CM部門で鮮烈な印象を残した。本学学友会放送研究部の神田一成さん(工・1)が制作し、本選進出を果たした作品「わかりみ、わからなみ」だ。
昨年の12月6日、京都アスニー(京都市生涯学習総合センター)にて、Nコンの本選大会が行われた。そして本大会の音声CM部門において、神田さんの作品が本選に進出し、奨励賞を受賞した。
今年の課題である平仮名1文字の「み」をテーマに、神田さんが表現したのは「ジェネレーションギャップ」だ。物語はシンプルながら、鋭いパンチラインを持つ。
若者たちの会話から「わかりみ」や「しんどみ」、そして「つらみ」という言葉を耳にした父親。その言葉を使って娘に歩み寄ろうと、「学校につらみはないか?」と問いかける。しかし、娘の反応は「ずいぶん古い言葉使うね」という想定外なものだった。父が勇気を出して使った言葉は、若者の間ではすでに時代遅れだったのだ。最後は「若者言葉は、わからなみ」という父の嘆きで締めくくられる。「若者言葉を肯定も否定もせず、新しい言葉に触れた時のリアクションや、かみ合わない会話の面白さをありのままに切り取りたかった」と神田さんは語る。
視覚情報のない音声CMにおいて、神田さんが最も苦心したのは「間」の演出だ。CMとは「コマーシャル」ではなく、「コミュニケーション・メッセージ」の略であり、伝えたいことを届けるために、間が非常に重要になるという。コンマ秒単位でせりふの隙間を調整し、聞き手の想像力を喚起した。
特筆すべきは、神田さんが入学前から大学放送の動向を分析し、入念な準備を経て制作に臨んだ点だ。「高校までの放送活動とは異なり、大学ではより自由な表現が求められる。だからこそ、独り善がりにならず第三者に評価される場に出したかった」。制作過程では、身の周りの異なる価値観に触れて、自身の殻を破ることを意識したという。「制作活動そのものが、自分を成長させてくれる」と振り返った。
今後はドキュメンタリーやラジオドラマなど、長尺の作品にも挑戦する意向を示す神田さん。「プロの真似事ではなく、等身大の大学生にしか見えない視点を大切にしたい」と語った。 (岡崎陸斗)
Nコン本選に参加する神田一成さん
(写真は本人提供)
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