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【書評】『福島のことなんて、誰もしらねえじゃねぇかよ!』カンニング竹山 KKベストセラーズ

 東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所の事故から8年を迎える。本学には国内外を問わず、さまざまな地域から学生が集まる。中には福島の現状について知らない人も少なくないだろう。


 今回取り上げる『福島のことなんて、誰もしらねぇじゃねえかよ!』ではそんな「震災後の福島」が外部の目線から平易な文章で語られる。著者はお笑い芸人のカンニング竹山氏だ。

 アクアマリンふくしまをはじめとした比較的著名な観光名所から、「伊達屋」などの地元で人気の飲食店まで、「福島社会科見学」として紹介している。真面目な内容も含むが、エッセイや紀行文としても気軽に楽しめるだろう。

 また、竹山氏はメディアの一部表現や報道姿勢を鋭く批判する。筆者が強く共感したのは「フクシマ」表記についてだ。

 現在でも一部の地域では大変厳しい状況が続いている。しかしながら、県の大部分では他県と何ら変わらない暮らしが営まれており、福島全体を「原発事故の土地」とする過度の一般化は福島県出身者や生産物への偏見を助長しかねない。

 残念ながら本紙においても「フクシマ」は過去に幾度か登場している。反省を踏まえつつ、福島の人々が取り戻した、あるいは取り戻しつつある普通の生活を踏み荒らすことのないよう表現に配慮していきたい。

 本書で竹山氏は福島について「楽しい」と繰り返し述べる。美しい自然や温泉、優れた農水産物を有し、仙台からの日帰り旅行にはうってつけだ。ゴールデンウイークの小旅行の予定を立てるのに参考にしてみてはいかがだろうか。
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