【特別インタビュー】七十七銀行頭取・小林英文氏 ~大学で真理の探求を~
https://ton-press.blogspot.com/2019/04/77bank.html
昨年12月に創業140周年を迎えた七十七銀行。この度は、小林英文頭取に話を伺った。
―創業140周年を迎えての思いは
まず、1878年12月に第七十七国立銀行として創業して以来、さまざまな苦難がありました。そのような中、皆様に支えられて140周年目の節目を迎えられたことに深く感謝申し上げます。
金融機関を取り巻く環境は、少子高齢化や人口減少といった社会構造上の問題、長引くマイナス金利政策の影響等もあり、一層厳しさを増しています。また、東日本大震災の発生から今年で8年を迎えましたが、震災発生当初の状況と比べ復興がだいぶ進展する中で、未だ復興のための工事が続く沿岸部では震災前の状態まで回復出来ていない企業も多い状況です。その一方で、企業を中心にグローバル化やデジタル化の流れも加速しており、目まぐるしく社会環境が変化する中、地域を支え地域と共に発展していくためにも「より良い銀行にしなければ」という使命感を改めて持っています。
―七十七銀行としての今後の目標は
地域経済を背負っているのは「地方銀行」であると自負しているので、地域経済の一層の活性化につながるよう、弊行自身も更なるレベルアップが必要と考えています。「地域経済」と言いますと非常に漠然としていますが、地域経済の主体となっているのは、地域に息づく企業や住民といったようにさまざまです。地方公共団体がマクロに、そして銀行がミクロにといった形で共に地域経済の発展に協力していくことが理想であると思います。一方、現在ではグローバル化の進展により経済の流れも一層自由度を増しており、海外に目を向けるお客様が多くなっています。こうしたお客様を支援するため、近年では上海やシンガポールに駐在員事務所を設置したほか、タイのバンコック銀行や、最近ではベトナムのベトコムバンク等に行員を派遣し、海外での人的ネットワークの拡充に取り組んでいいます。今後も取引先のニーズに応えられるようさまざまな取り組みを実施していく方針です。
―地域の経済、景気についてどう思いますか
東北全体の景気の状況としては、人口減少等の影響が大きく景気持ち直しの動きが緩やかに推移している状況です。東北各地では豊富な観光資源を活用し、外国人旅行客を呼び込むインバウンドのように、それぞれの地域における特色を生かした取り組みを実施しています。しかし、関西や九州等に比べると経済的に見劣りする部分が否めません。東北は新しい技術や投資に対し若干消極的な印象がありますし、インバウンドについてもPR不足という感じもします。こうした状況を少しでも改善していくことが東北経済の底上げにつながっていくと考えています。最近の宮城県内の景気の状況を見ますと、震災復興需要の反動から回復の動きが鈍化していますが、経済活動は総じて高めの水準で推移している状況です。仙台市中心部や副都心での再開発プロジェクトが進展し建設投資が活発化しているほか、東北大学の青葉山キャンパスでの次世代放射光施設の設備整備のような大型プロジェクトが控えており、仙台圏がけん引役となり県内経済は回復の動きを続けていくものと考えています。
―学生時代の経験で現在役立っていることはありますか
学問とは「真理の探求」の一つであると考えています。大学の学問はどちらかと言うと理論的で、実際の銀行の業務とは異なるものと思っています。しかし、大学のゼミで財務会計論を学んだことで、仕事の書類上の数字を単なる数字として捉えるのではなく、その数字が持つ意味まで考えるようになりました。そういう意味では学生時代に学んだ経験が今に生きていると感じています。
―どのような大学時代でしたか
大学卒業後は自由に使える時間に限りがあると考えましたので、大学生活を貴重な時間と考え過ごしました。学業面では「これは必死に学んだ」、「この科目については誰にも負けない」と自信をもって言えるくらい経済学の研究に取り組みました。また、学業以外では、東北はもちろんのこと関東・甲信越まで車で旅行に行きましたし、ゼミ対抗野球大会ではピッチャーを務めるなど、さまざまなことに挑戦をしました。今しか経験できない大学生活を満喫する学生だったと思います。
―東北大生に一言メッセージを
大学は自分で自分をプロデュースできる最後の場所です。あらゆることを考え挑戦し、そして楽しく過ごしてください。また、母校は先輩とのつながりが持てる場所であり、アイデンティティにつながったりするものと考えていますので、社会人になってからも大切にしてほしいと思います。最後に、世界において日本の存在感を保ち高めるためには日本経済を活性化させることが重要です。これは学生の皆さんの課題でもありますので、一緒に頑張って取り組んでいきましょう。
―創業140周年を迎えての思いは
まず、1878年12月に第七十七国立銀行として創業して以来、さまざまな苦難がありました。そのような中、皆様に支えられて140周年目の節目を迎えられたことに深く感謝申し上げます。
金融機関を取り巻く環境は、少子高齢化や人口減少といった社会構造上の問題、長引くマイナス金利政策の影響等もあり、一層厳しさを増しています。また、東日本大震災の発生から今年で8年を迎えましたが、震災発生当初の状況と比べ復興がだいぶ進展する中で、未だ復興のための工事が続く沿岸部では震災前の状態まで回復出来ていない企業も多い状況です。その一方で、企業を中心にグローバル化やデジタル化の流れも加速しており、目まぐるしく社会環境が変化する中、地域を支え地域と共に発展していくためにも「より良い銀行にしなければ」という使命感を改めて持っています。
―七十七銀行としての今後の目標は
地域経済を背負っているのは「地方銀行」であると自負しているので、地域経済の一層の活性化につながるよう、弊行自身も更なるレベルアップが必要と考えています。「地域経済」と言いますと非常に漠然としていますが、地域経済の主体となっているのは、地域に息づく企業や住民といったようにさまざまです。地方公共団体がマクロに、そして銀行がミクロにといった形で共に地域経済の発展に協力していくことが理想であると思います。一方、現在ではグローバル化の進展により経済の流れも一層自由度を増しており、海外に目を向けるお客様が多くなっています。こうしたお客様を支援するため、近年では上海やシンガポールに駐在員事務所を設置したほか、タイのバンコック銀行や、最近ではベトナムのベトコムバンク等に行員を派遣し、海外での人的ネットワークの拡充に取り組んでいいます。今後も取引先のニーズに応えられるようさまざまな取り組みを実施していく方針です。
―地域の経済、景気についてどう思いますか
東北全体の景気の状況としては、人口減少等の影響が大きく景気持ち直しの動きが緩やかに推移している状況です。東北各地では豊富な観光資源を活用し、外国人旅行客を呼び込むインバウンドのように、それぞれの地域における特色を生かした取り組みを実施しています。しかし、関西や九州等に比べると経済的に見劣りする部分が否めません。東北は新しい技術や投資に対し若干消極的な印象がありますし、インバウンドについてもPR不足という感じもします。こうした状況を少しでも改善していくことが東北経済の底上げにつながっていくと考えています。最近の宮城県内の景気の状況を見ますと、震災復興需要の反動から回復の動きが鈍化していますが、経済活動は総じて高めの水準で推移している状況です。仙台市中心部や副都心での再開発プロジェクトが進展し建設投資が活発化しているほか、東北大学の青葉山キャンパスでの次世代放射光施設の設備整備のような大型プロジェクトが控えており、仙台圏がけん引役となり県内経済は回復の動きを続けていくものと考えています。
―学生時代の経験で現在役立っていることはありますか
学問とは「真理の探求」の一つであると考えています。大学の学問はどちらかと言うと理論的で、実際の銀行の業務とは異なるものと思っています。しかし、大学のゼミで財務会計論を学んだことで、仕事の書類上の数字を単なる数字として捉えるのではなく、その数字が持つ意味まで考えるようになりました。そういう意味では学生時代に学んだ経験が今に生きていると感じています。
―どのような大学時代でしたか
大学卒業後は自由に使える時間に限りがあると考えましたので、大学生活を貴重な時間と考え過ごしました。学業面では「これは必死に学んだ」、「この科目については誰にも負けない」と自信をもって言えるくらい経済学の研究に取り組みました。また、学業以外では、東北はもちろんのこと関東・甲信越まで車で旅行に行きましたし、ゼミ対抗野球大会ではピッチャーを務めるなど、さまざまなことに挑戦をしました。今しか経験できない大学生活を満喫する学生だったと思います。
―東北大生に一言メッセージを
大学は自分で自分をプロデュースできる最後の場所です。あらゆることを考え挑戦し、そして楽しく過ごしてください。また、母校は先輩とのつながりが持てる場所であり、アイデンティティにつながったりするものと考えていますので、社会人になってからも大切にしてほしいと思います。最後に、世界において日本の存在感を保ち高めるためには日本経済を活性化させることが重要です。これは学生の皆さんの課題でもありますので、一緒に頑張って取り組んでいきましょう。