【受賞・研究成果】猿橋賞受賞・梅津理恵 准教授 ~磁気材料分野発展に寄与~
https://ton-press.blogspot.com/2019/07/saruhashi.html
本学金属材料研究所の梅津理恵准教授が、第39回猿橋賞を受賞した。猿橋賞は、自然科学分野で顕著な研究業績を収めた女性科学者に贈られる。今回受賞した梅津准教授に話を伺った。
―研究分野について
もともと、金属磁性材料の機能の起源を知りたくて、研究を始めました。金属磁性材料のなかでも、特にハーフメタルを15年前から研究しています。ハーフメタルとは、半導体と金属の性質を併せ持った磁性体です。以前からハーフメタル状態の理論は唱えられており、既に記録を再生する部品の一部で使われています。しかし、現在のものは半導体と金属の両方の性質を持つハーフメタルの特性を生かし切れていません。
ハーフメタルの電子状態を示唆する候補物質は理論計算でたくさん報告されていて、私はそれを基に実際にハーフメタル候補物質を作りました。さらに、このハーフメタルの特徴を電子レベルで調べ、理論計算通りの状態を有していることを証明しました。この一連の研究が金属磁性材料の新たな可能性を開いたと評価されて、猿橋賞を頂きました。今後さらに研究が進めば、ハーフメタルの需要が高まると思います。
―なぜ研究者を志したのですか
実は、大学院を卒業後、一度就職したのですが、母の看病のために1年で退職し、家事手伝いをしていた時期がありました。その後、母が亡くなってしまい、私の中で全てがリセットされて、新しく何をやろうかと考えたんです。
理系は大学院に進む人が多いため、学生時代は気が付かなかったのですが、大学を離れてみて、実は特殊な環境にいたのだと思ったんです。せっかくだから、学生時代の続きをしたいと思い、博士課程に進みました。
企業で研究するという道もありましたが、企業だとどんな研究をするか自由に決めることはできません。大学の方が、規模が小さくても自由なテーマで研究できますし、大学の研究室の雰囲気が好きなんです。それで自分の得意分野である磁気材料が強みの本学で、研究者となることを決めました。
―私生活と研究の両立は、大変ではなかったですか
特別大変だとは思わなかったですね。大変だったとしても、きっと乗り越えられるレベルのものだったんだと思います。
それに、今と違う環境を比較することはできないじゃないですか。もし結婚や子育てをしてなかったとして、研究がはかどったとは限らないですし。結婚し、家庭があったからこそ、うまくやってこられたのかもしれません。
―今後の目標は何ですか
2023年度から、本学青葉山キャンパスで次世代放射光施設が稼働予定です。ハーフメタルを調べる際、放射光を使うのですが、青葉山にできる施設では、非常に精度の高い結果が得られるはずです。ぜひ、本学のこの施設で、自分の研究をやってみたいです。そして、何かひとつでもいいので、新規機能性材料を自分で発見したり、発明したりできたらいいなと思っています。
―学生へ一言お願いします
学生さんには欲張りに生きてほしいですね。例えば、昔は仕事と結婚の両方を取ることはできなくて、どちらかを選ばなければいけなかったと思いますが、今は違います。家庭を持ちながら働くのが当たり前になっていくでしょう。何かをするために、別の選択肢を捨てるのではなく、全部やる方法をぜひ模索してみてください。
あと、語学はしっかり勉強してほしいです。今後は英語が話せないと仕事ができない時代になっていきます。ぜひ外国語を身に付けてほしいですね。
―研究分野について
もともと、金属磁性材料の機能の起源を知りたくて、研究を始めました。金属磁性材料のなかでも、特にハーフメタルを15年前から研究しています。ハーフメタルとは、半導体と金属の性質を併せ持った磁性体です。以前からハーフメタル状態の理論は唱えられており、既に記録を再生する部品の一部で使われています。しかし、現在のものは半導体と金属の両方の性質を持つハーフメタルの特性を生かし切れていません。
ハーフメタルの電子状態を示唆する候補物質は理論計算でたくさん報告されていて、私はそれを基に実際にハーフメタル候補物質を作りました。さらに、このハーフメタルの特徴を電子レベルで調べ、理論計算通りの状態を有していることを証明しました。この一連の研究が金属磁性材料の新たな可能性を開いたと評価されて、猿橋賞を頂きました。今後さらに研究が進めば、ハーフメタルの需要が高まると思います。
―なぜ研究者を志したのですか
実は、大学院を卒業後、一度就職したのですが、母の看病のために1年で退職し、家事手伝いをしていた時期がありました。その後、母が亡くなってしまい、私の中で全てがリセットされて、新しく何をやろうかと考えたんです。
理系は大学院に進む人が多いため、学生時代は気が付かなかったのですが、大学を離れてみて、実は特殊な環境にいたのだと思ったんです。せっかくだから、学生時代の続きをしたいと思い、博士課程に進みました。
企業で研究するという道もありましたが、企業だとどんな研究をするか自由に決めることはできません。大学の方が、規模が小さくても自由なテーマで研究できますし、大学の研究室の雰囲気が好きなんです。それで自分の得意分野である磁気材料が強みの本学で、研究者となることを決めました。
―私生活と研究の両立は、大変ではなかったですか
特別大変だとは思わなかったですね。大変だったとしても、きっと乗り越えられるレベルのものだったんだと思います。
それに、今と違う環境を比較することはできないじゃないですか。もし結婚や子育てをしてなかったとして、研究がはかどったとは限らないですし。結婚し、家庭があったからこそ、うまくやってこられたのかもしれません。
―今後の目標は何ですか
2023年度から、本学青葉山キャンパスで次世代放射光施設が稼働予定です。ハーフメタルを調べる際、放射光を使うのですが、青葉山にできる施設では、非常に精度の高い結果が得られるはずです。ぜひ、本学のこの施設で、自分の研究をやってみたいです。そして、何かひとつでもいいので、新規機能性材料を自分で発見したり、発明したりできたらいいなと思っています。
―学生へ一言お願いします
学生さんには欲張りに生きてほしいですね。例えば、昔は仕事と結婚の両方を取ることはできなくて、どちらかを選ばなければいけなかったと思いますが、今は違います。家庭を持ちながら働くのが当たり前になっていくでしょう。何かをするために、別の選択肢を捨てるのではなく、全部やる方法をぜひ模索してみてください。
あと、語学はしっかり勉強してほしいです。今後は英語が話せないと仕事ができない時代になっていきます。ぜひ外国語を身に付けてほしいですね。