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【応援号2020】センター試験講評 ~問題作成者の意図は何?~

 今年のセンター試験の講評をすることになった。もしまだ2次試験の科目が残っている場合は、息抜きがてら読んでもらえれば幸いである。毎年一定のネタ(リカちゃん人形、ムーミンなど)を提供し続けてきたセンター試験だが、今年はそこまで衝撃的なネタ問題はなく、全体的に落ち着いた問題構成だったと言えるのではないだろうか。

 筆者は文系なので、まず国語から。冒頭からいきなり「レジリエンス」などという意味不明な言葉が書かれており、多くの受験生はこの時点で読む気を失ったに違いない。しかし、これは受験生をふるいにかけるための大学入試センターの策略である。本学を志望する皆さんは、しっかり読み進めることができただろうか。

 次は英語。全体をサラッと見たときに目についたのはやはり第4問の問1だ。……なにこれ? 蚊取り線香ですか? センター当日、ツイッターなどでも「なんか変なグルグル出てきたw」というような投稿が多々見られたが、このグルグルも、受験生の目を回して問題を解けなくさせようとする大学入試センターの策略だろう。この問題に動揺してしまうと、後半の長文問題にも影響が出てしまうため、メンタルを強く保って解きたい問題であった。ちなみに筆者は現役時代に英語を得意科目としていたのだが、大学に入ってからロクに英文も読まずに過ごしてきたので、「facilitate」の意味すら思い出せなくなっていた……。

 リスニングに関して特筆すべきことは、前回第1問で出た謎のモンスターがパンダに変更されたことだけである。かわいいパンダを見て緊張をほぐしてもらおうという、受験生に対する出題者の思いやりと優しさが感じられる良問だ。

 次は数学を見てみることにしよう。……うん、分からん!大学に入ってから一切数学に触れていない筆者にとって、もはや理解できる要素など無いに等しかった。特にデータの分析で出された箱ひげ図は、試験会場で見ていたら泡を吹いて卒倒していただろう。

 最後は筆者が現役時代に最も出来が良かった倫理・政経を見てみよう。冒頭から女子高校生KとRが、「科学が進歩する中での人間の在り方」について激論を交わしている。いつも思うことではあるが、現実世界にこのような高尚な会話を展開するJKが実在するのならぜひとも会ってみたいものだ。「自分が強くなる代わりに、他人の弱さを気に留めなくなって一人平然としてるのなら、それこそロボットじゃない?」、「人間は不完全で弱い」などの名言が今年も飛び出した。第3問は「苦しい受験勉強もゴールが近づいてきた」という言葉から始まっているが、センター1日目の最初の教科で言うセリフではない。しかもその後に「大学生活を謳歌しようと心待ちにしている者も多いだろうが、生を謳歌するには、何を追い求めればよいのだろうか。近代以降の西洋思想を手掛かりとして考えてみよう」とある。受験勉強のゴールをちらつかせておきながら結局は現実の試験に引き戻すというのだ。今年で大学入試センター試験は最後のため、出題者も思い切って受験生をあおりにきたのだろう。皆さんはこのあおりに耐えることができただろうか。

 さて、ここまでセンター試験を概観してきたが、今年も良問が多数見られると同時に、新傾向の問題も散見された。大学入試共通テスト導入に関する話題が尽きない中、改めてセンター試験のテストとしてのクオリティの高さが証明される内容だったと言えるだろう。

 最後にはなったが、本学はセンター試験の配点がどの学部もあまり高くない。センター試験で思うように得点できなかった人も、2次試験での逆転を目指して頑張ってほしい。皆さんの健闘を祈っている。
特別号 2602285772850901522
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