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【新入生向け2020・歓迎インタビュー】京浜急行電鉄 原田一之 社長 ~自分の「武器」 大学で獲得を~

  東京から横浜、羽田空港、三浦半島へと路線網を張り巡らせる大手私鉄の京浜急行電鉄(京急)。同社の原田一之社長(66)は本学法学部のOBだ。原田社長は、後輩となる新入生に対して「大学生活の中で人生を生き抜くための武器を身に付けてほしい」とエールを送った。



―どのように学生時代を過ごしたか

 下宿で共に生活していた仲間とひたすら酒を飲む日々を送っていました。当時は高度経済成長期ということもあり、就職に困ることはないだろうと思っていました。大学ではとりあえず単位を取って卒業できればいいと考えていましたが、卒業前にオイルショックが起こって就職に大変苦労しました。


仙台に育てられた学生時代


―本学や仙台の印象は

 伝統や歴史があり、「旧帝大」でありながらも、東大や京大とはまた雰囲気が違うような気がします。それは東北大が仙台の街にあるからではないでしょうか。

 私も学生時代は多くの人にお世話になりました。深夜まで麻雀をやって騒いでいて、下宿先のおばさんに「うるさい」と叱られたことがありました。また、下宿の風呂が壊れたときには、近所の人が風呂を貸してくれ、ご飯までごちそうしてくれたこともありました。このように仙台は学生を大事にしてくれる街だと思います。これから学生生活を送る皆さんは、東北大の学生として仙台の街で育ち、仙台の街に育てられるということを大切にしてほしいと思います。

―社長として会社を預かるとはどういうことか

 自分が社長であると意識したことはあまりありません。ただ、社員1万人とその家族に対して責任を負っているということは考えて仕事をしています。

 鉄道を含め、世の中の事業は社会的意義があるからこそ続いていると言えます。そのことは常に意識しています。何か問題が起きたときでも、社会に対する責任を果たすため、方向性をしっかり定めることが重要だと考えています。

―少子高齢化や訪日外国 客の増加などの課題にどう取り組んでいくか

 少子高齢化は一番大きな課題だと認識しています。私たちには東京から横浜・川崎に及ぶ京浜地帯を支える責任があります。京浜地帯を活性化し、地方から日本全国を活気づけたいと考えています。

 京急沿線には品川と羽田、横浜という三つの「玄関口」があります。今年新駅が開業し、将来リニア新幹線の起点となる品川では再開発事業に取り組んでいます。羽田空港へは鉄道・バスが走っており、羽田アクセスの中心的な役割を果たしています。船で訪れる人も多い横浜では本社移転とともに、新たなビルの建設を進めています。これらの事業は「種まき」です。10年後、20年後に将来世代が果実を「もぎ取る」ことができるように、将来を見通して計画を進めています。


人との触れ合いが社会で生きる


―学生時代の経験で今、役に立っていることはあるか

 酒を飲みかわすということを含め、人との付き合い方を学生時代に学べたというのは大きかったです。もう少し勉強していれば……という思いもないことはないですが、勉強していたら今の自分はなかったかもしれません。おかげさまで66歳になった今も、「不幸にも」まだ仕事をしていますが。

―学生に求めることは

 最近の新入社員はとても優秀です。勉強する力もあり、物事を理解する力もある。でも、社会に出てより大切になってくるのは交渉する力です。社会人として相手をいかに説得するかというのは社会に出てから徐々に身に付けるものですが、学生時代にその基礎を、人と関わる経験を通じて培ってほしいです。

―新入生へメッセージを

 学生生活を送る中で、人生を生き抜く上での武器を獲得してもらいたいと思います。それは大学での学びだと、それぞれの専門科目の考え方を身に付けておくことになるのではないでしょうか。京急には高卒で入社する社員もたくさんいて、その中にはだいぶヤンチャな新入社員もいます。でも駅員、車掌、運転士と経験し、4~5年経つと「顔」が変わっています。大学の新入生の皆さんも人生の財産となるものをアルバイトやスポーツなどを通じ多くの人と触れ合って大学で身に付けて、皆さんの「顔」を鍛えてください。期待しています。 
(20年2月26日取材)
特別インタビュー 7615205908534511376
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