【一言居士】―2020年5月―「空白」の日々
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新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、私たちの生活は180度変化した。不要不急の外出や人との接触を避けることを余儀なくされている▼私自身、当初はこの生活に抵抗があった。これまでの大学生活2年間はバイトに部活、娯楽と、可能な限り予定を詰め込むことに注力していたからだ。その方が単純に大学生として充実した生活を送っていると思っていた。予定がないことを嫌う「空白恐怖症」という言葉もあるらしい▼3月まで予定でびっしり埋まっていたスケジュール帳も今では空白だらけ。一人で家にいる時間は長く、誰とも話さない日も少なくない。幸か不幸か、嫌っていた「空白」の生活にも慣れてしまった。日常のストレスから解放され、好きなことができる時間が増えるという点ではむしろ快適かもしれない▼どちらの生活が理想か、まだ結論は出せない。ただ、この自粛期間が新しい視点を与えてくれたことは確かだ。できることが制限される中で逆に今だからこそできることが広がる。それは個人の範囲にとどまらず、社会全体でも。
(文責・唐木)