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【特別インタビュー】はやみねかおるさん ~デビュー30周年、赤い夢の裏側に迫る~

  

 今年で作家生活30年目を迎える、はやみねかおるさん。今年7月には諸シリーズのメインキャストが登場する『令夢の世界はスリップする』を刊行し、はやみねワールドの謎を解き明かすストーリーが幕を開けた。子どものみならず、大人でも夢中になる「赤い夢」を見せ続けるはやみねさんに話を伺った。


―作品はどのように書いていますか

 1日6〜8時間くらい、本にすると10〜15ページくらい書きます。1日にこれくらい書くぞ! と決めて書くと面白くないことが多いので、一番いいのは、自然と筆が進むときですね。

 自分で読んで面白くないと思う時や、次の展開によって面白くなくなってしまった時は書いたものをお蔵入りにすることもあります。子どもたちが少ないお小遣いで買って読んでくれる訳だから、値段分の面白さは絶対にないといけない。それは強く意識しています。

 また、読者への影響は考えないといけないと思っています。大人はすでに価値観を持っているからいいけれど、子どもたちの価値観はまだ形成中です。子ども向けに書くときは、子どもに与える影響についてよく注意するようにしています。


―作品によく登場する「赤い夢」とはなんなのでしょうか

 ぼくにとっては、大好きな「ミステリー」のことです。子どもの頃、ミステリー小説を読んでいた家の土壁の匂いを思い出します。「赤い夢」という言葉自体は、その頃読んだ、小林信彦先生の〈オヨヨ大統領シリーズ〉に登場した言葉なんです。私たちは赤い夢に住んでいて逃げることはできないのだというシーンが、強く印象に残っていて、小説の中でも度々使わせてもらっています。


―小説を書きはじめたきっかけは

 小学生の頃、図書館で本を読んでいたのですが、面白い本がなくなってきたため、4年生くらいから書き始めました。小説で食べていけるようになりたいと考えていたのですが、学生時代、コンクールに応募しては、落選続きで。その時、教育学部だったので教育実習に行かなくてはならなくて、そこで「先生」と呼ばれたのが嬉しかったんですよね。当時、ぼくは講義にも出ず、下宿にこもって本ばかり読んでいました。そんなぼくを「先生」と呼んでくれる。教師を目指すことにして、教師になったら小説を書くのはやめようと思いました。そんなに甘い職業じゃないと思ったからです。



―そんななか、作家デビューした経緯は

 小学校の教師になったら、授業の時間配分が下手で5分余ってしまったんですよね。その時間で、昔書いた話を聞かせるようにしました。そしたら子どもたちに「つまんない」と言われてしまって、絶対に面白いと言わせてやるぞ、と思いました。小説は書かないと決めたけど、子どもたちに聞かせる童話ならいいだろうと考えたんです。短い話をたくさん書くのは大変だから、長い話を少しずつすることにして、反応を見ながら話を作っていくと、子どもたちが「この話は本になってるの?」と聞いてきたんです。ぼくが作った話だとは言っていなかったから、その読書欲を消してはいけないと思って、紙にプリントして配りました。それから作家としてデビューして「二足のわらじ」をしていたのですが、体力がもたなくなって、作家に専念することになりました。今でも、こんな授業をしたいというアイデアが浮かんでくることがあって、授業をしたくなります。


―夢を叶えるために必要なことはなんだと思いますか

 夢を叶えるためには、まず、夢を持たなくちゃいけないんですよね。でも、最近の若い子たちは夢を持てる環境とか、精神状況なんだろうか。そういう環境を整えるのは、大人の責任が大きいですよね。周りにつまらない大人しかいなかったら、あんな大人にしかなれないんだったら大人になんてなりたくないって思ってしまうんじゃないかな。

 でも、重い足取りで会社に行っているような人でも、駅に行くまでの道でちょっと楽しい発見とかをして、毎日を楽しんでる人がいる。ここで子どもの方にも責任が出てくるんですよね。大人がつまらなそうに生きてる、ってそれ本当につまらないのかって。細かいところまで見てるかって。夢を持つためには、そういうことが必要になってくると思います。

 そして、夢を叶えるために必要なことは、結局、シンプルに一つだけ答えがありまして、それが「あきらめへんこと」。才能がないとかで諦めようとする人もいるけど、才能よりも努力が大切だと思う。諦められへんから、夢なんだと思う。もし努力して死ぬ直前までやったら、駄目でも納得して諦められるんじゃないかな。だからまず、そこまで諦めないで努力することが必要です。

 あと小説を書いたり作品を作ったりしている人に伝えたいのは、他の人と比べるのはやめましょうね、ということです。人と比べて下手だからやめてしまうなんて、もったいないです。好きだからやっているんだから、自分の好きなことをすればいい。ぼくは、書くのをやめていいのは、書きたくなくなったときだけだと思います。他の人と比べず、自分の好きなものを書いてほしいです。


―大学生や高校生にメッセージを送るとしたら

 そう聞かれたら、いつも「人生は面白いから、毎日楽しく生きてくださいね」と答えています。ぼくは意地っ張りなので、「いつが一番楽しい?」って聞かれたら、いつでも「今が一番楽しい!」と答える。大学時代、下宿にこもって本を読みながら「将来どうなるんだろう」と不安に思うこともあった。そういうこともあるけれど、痩せ我慢でもいいから「今が一番楽しい」と言い続けるのが大切です。

特別インタビュー 7735304865038373475

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また、学内外のポストへの配置・学内便や学外便のお届け、高校への配布については、順次再開して参ります。東北大学新聞の記事および紙面PDFは、毎号本ホームページを通して閲覧可能です。
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