【ニュース】全学教育科目改定 ~新たに「学問論」など開講~
今年度から本学の全学教育科目のカリキュラムが全面的に改定された。カリキュラムの大幅な改定の実施は、2000年に全学教育の枠組みが制定されて以来初めて。
全学教育の基本的な枠組みは00年に制定された。約20年を経て、探究活動の導入など高校までの学習内容が変化したほか、普遍的教養に加えて現代的なリベラルアーツの素養が学生に求められるようになった。
これらを背景に、初年次から高年次までの教育の接続性や、学問分野を問わないカリキュラムの必要性などの課題が顕在化。そのため、今回の全面的なカリキュラム改定に至ったという。
今年度からの改定は、18年度に本学学務審議会内に全学教育改革推進ワーキング・グループが設置されたことに始まる。翌年4月には、全学から推薦された委員による全学教育改革検討タスク・フォースが発足。1年間にわたり社会情勢や学生の声を鑑みつつ、課題の解決に向け、日本を代表する研究型総合大学にふさわしい全学教育体系や、実施体制の構築に向けて検討を進めた。タスク・フォースからの報告書に基づき、20年度から学務審議会で実際のカリキュラム移行に向けた準備が開始。今年4月入学者からの新カリキュラム適用に至った。
新カリキュラムへの移行に伴い、全学教育科目の分類は基幹科目類、展開科目類、共通科目類の三つから、基盤科目類、先進科目類、言語科目類、学術基礎科目類の四つとなった。基幹科目類と展開科目類の趣旨や目的の違いが認識しづらいという課題の解決や、現代的リベラルアーツに位置づけられる科目の体系化などを図るためだ。人間と社会を知る理系人材、科学リテラシーのある文系人材に育つことへの期待も込められている。
基盤科目類では初年次教育科目として学問論を新設し、大学での学び方を学ぶ方法や学術スキルを育成する。先進科目類には地球規模課題群が新設され、SDGsなどの国際問題を扱う高年次対象の科目を設けた。言語科目類は教育内容を見直した。英語群は一般学術のための英語力育成に注力。初修語群は複言語能力の修得を目指すプログラムを開講した。学術基礎科目類は、専門教育への接続を趣旨とした点が特徴といえる。
現代社会の流れを読み、制度の開始以降初めて全面的に改定された全学教育科目のカリキュラム。全学教育科目が目指す先について、学務審議会教務委員長は「研究型総合大学という本学の強みをより一層生かした、新たな全学教育体系により、創造力を伸ばす教育を展開する。生涯学び続ける力を育成し、大変革時代の社会を世界的な視野で先導するリーダーを育成していく」と説明した。