【連載】【思い出バトン】寂しさ残る体育祭
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母校の高校では、6月に体育祭を開催していた。筆者は運動が苦手で、体力テストは学年で下から3番目。テストの結果へのアドバイスには「まずはラジオ体操から始めよう」と書いてあった。
しかし、どれだけ運動ができなくても体育祭には参加しなければならない。自分の競技成績がクラスの総合順位にも関わるため、筆者にとってはある意味一大イベントだった。
高校2年の6月。体育祭の前日、筆者は「体育祭休みたいな」と友人にこぼしていた。会う友人のほとんど全員に言っていたと思う。切実な願いだった。
体育祭当日、筆者は寝苦しさで目を覚ました。熱を測ると38・7度。昨日の祈りが受理されてしまったらしい。吐き気と高熱で友人に連絡する余裕さえなかった。友人たちにずる休みだと思われていたことは、言うまでもない。
3年の体育祭は新型コロナの影響で中止。後悔しているわけではないが、もう人生で体育祭をする機会がないというのは、少し寂しい。(山野咲)