【連載】【思い出バトン】渋々始めたチューバ 魅せられ
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梅雨が明け、夏本番を迎えた7月。高校2年生だった筆者は、全日本吹奏楽コンクールの東北大会出場を目指して、楽器の練習に励んでいた。担当していたのは、金管楽器の中で一番大きく、最低音が出せるチューバ。小柄で体力がなかったので、楽器を吹くことも持ち歩くことも一苦労だった。
筆者がチューバと出会ったのは、中学1年生のとき。幼い頃からピアノを習い、音楽に親しんできたため、吹奏楽部の賑やかな雰囲気に引かれて入部した。しかし、希望していたパーカッションパートはすでに定員超え。顧問の先生や先輩に、希望者がいないチューバをやってほしいと説得され、覚悟を決めた。
その後、全体の演奏を支えるチューバの美しい低音に魅せられ、気づけば高校生になってもチューバを手にしていた。高校2年生の夏には、それまでの努力が実り、初めて東北大会に出場することができた。こうして、一生涯記憶に残る夏が、吹奏楽の音色とともに幕を閉じた。
(照井希望)