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【キャンパス短信】愛され続けて16年 ~青葉山東のデイリー、閉店へ~

 地下鉄青葉山駅から東に歩き続けること12分。青葉山東キャンパスの「奥地」で、年中無休の24時間営業を続けてきたコンビニがある。「デイリーヤマザキ東北大学工学部東店」だ。長年にわたって学生、教職員のオアシスであり続けたコンビニは、31日午後5時をもって約16年の歴史に幕を閉じる。


31日に閉店する「デイリーヤマザキ東北大学工学部東店」の店舗とスタッフ。
中央が我妻さん

コロナ禍で売上が4割に


 現在のオーナーを務める我妻(あがつま)好一さん(67)は2代目の店主。かつてこの店舗を経営していた会社が撤退した際、大学側の「店舗を続けてほしい」との要望を受け、声がかかったのが我妻さんだった。2010年にオーナーを引き継いで以来12年にわたって、10数人のアルバイトスタッフとともに24時間営業を続けてきた。


 多くの学生でにぎわっていた店舗であったが、新型コロナの流行とともに状況は一変。売り上げは減少し、コロナ前の約4割にまで落ち込んだ。夜間の営業の休止なども検討したが、長引くコロナ禍で経済的な損失に歯止めがかからず、店舗の契約や自身の健康状態も考慮し、今月を最後に、店を閉める決意を固めた。


事故きっかけに24時間営業


 年中無休の24時間営業を続けてきた理由は、店舗が営業を開始した経緯にある。2005年、ある工学部の学生が交通事故で亡くなった。学生は当時卒業論文を執筆しており、事故は夜間に山を下りて買い出しへ出かけていたときに発生した。工学部の学生は研究などのため、夕方から深夜にかけても研究室などに残ることが少なくない。この事故を受けて、大学は24時間営業する店舗の設置を決定。翌06年12月に本学構内初のコンビニとして、「デイリーヤマザキ」の営業が始まった。


事故をしのんで植樹された冬桜と記念碑 =青葉山東キャンパス

 開店直後の本紙報道(356号)によると、周辺一帯は当時、「東スチューデントロビー」と呼ばれ、隣接する「こもれびカフェ」(現在も営業中)とともに整備された。紙面からは、外部の店舗が入る目新しいエリアとして見られていた様子が伝わってくる。開店当初から夜間に人気があり、本紙は「店側の予想以上に客が入った」と伝えている。


 店舗が多くの学生・教職員に愛されてきたエピソードがある。大学などに入る小さなコンビニでは、おでんの販売をやめている店舗が多い。しかし、この「東北大学工学部東店」では毎冬おでんを販売してきた。おでんは店舗の看板メニューといえるほど大人気で、二つの鍋で煮込んでいても一日に2回仕込みを行う日があったほどだ。「おでん屋よりも材料があったときもあった」と我妻さん。おでんの売り上げは全国のデイリーヤマザキの中で第3位になり、店舗が表彰されたこともあったそうだ。


カップ麺が大量に陳列されている店内からは、
キャンパス内コンビニ「らしさ」が感じ取れる =21日夜、同店舗内


  ◇  ◇  ◇


 閉店を惜しむ声は多く、ツイッター上では閉店の知らせに戸惑う投稿が400件近くリツイートされる一幕も。利用者に対して我妻さんは「至らないところもたくさんあったが、長年にわたって本当にありがとうございました」と感謝の言葉を口にした。


 閉店まであと1週間。店舗跡地の利活用について大学からの発表はなく、深夜営業を行う店舗は姿を消す。青葉山で17年前と同じ悲劇が繰り返されないことを、願うばかりだ。


(松本琉太)

キャンパス短信 2407508679695255510
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