【第74回東北大学祭】学友会落語研究部 躍動 技巧光る川内寄席
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大学祭1、2日目に、学友会落語研究部による公演、「川内寄席」が開催された。
筆者が潜りこんだのは、2日目第5部「こわ~い噺の会」。客席には、期待に胸弾ませた様子の老若男女が並んでいた。
一つ目の演目は、ネット発の有名怪談をアレンジした「八尺様」。タクシーに乗り込んだ男が子どもの頃に体験した不気味な出来事を運転手に語るという形式で、観客を怪談の世界へと誘った。
身振り手振りを織り交ぜて語る部員 |
続いては、おなじみの古典落語「ろくろ首」。「こわ~い噺の会の最中ではありますが、この話、実はまったく怖くありません。どうぞ箸休めに笑っていってください」と場を和ませた演者は、軽い話口で、首が伸びる女房におびえる男を演じ、見事なオチで会場の笑いをかっさらった。
しかし、演者の交代と共に、愉快な雰囲気は一転。会場は緊張感に包まれ、その圧倒的な迫力に筆者は息をのんだ。最後の演目は、傑作落語「死神」。借金まみれの人生に絶望し、自殺を図ろうとした男のもとに、「死神」を名乗る老人が現れる。激しくも静かな結末から一拍置いて、会場中から大きな拍手が巻き起こった。部員たちの技量と構成力が光る公演だった。(恵利一花)