参加学生の情報 選考への利用可能 25卒インターンから ~企業理解や自己分析 より重要に~
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今年度より、インターンシップに参加した学生の情報を、企業が採用選考に活用することが可能になった。それだけでなく、「インターンシップ」の定義が改められたり、低学年から参加可能な「オープンカンパニー」が設けられたりと、学生の就職活動に影響を与える変更が行われた。何が変わり、学生はどう対応していけばいいのか。詳しく見ていく。
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現実との隔たり 修正へ
「採用と大学教育の未来に関する産学協議会 (以下、産学協議会)」では昨年4月の報告書において、新しいインターンシップ(以下、インターン)の定義を定めるとともに、一定の基準に準拠するインターンで得られた学生情報については、採用活動開始後に活用可能とすることを発表した。
日本におけるインターンは1990年代後半に「学生のキャリア形成支援」を目的に政府主導で導入された。しかし、現状では「インターン」の名の下に期間も内容も形式も異なるさまざまなプログラムが展開されていた。海外と比較した際には、実施期間も非常に短く、学生が採用につながることを期待し、業務を経験しない短期のプログラムを選択するなど、本来のインターンの目的を達成できない状況にあったため、「質の高いインターン」を目指し、今回の改正となった。
4つのタイプに分類
今回の改正に伴い、インターンを始めとするキャリア形成支援活動は4タイプに分類される。変更後に「インターン」と定義されるのは、汎用的能力・専門活用型インターンシップ(タイプ3)と高度専門型インターンシップ(タイプ4)の2タイプ。これらでは、学生が企業の実務を体験することが必須になるほか、産学協議会が求める五つの要件を満たす場合、採用活動開始以降に限って、取得した学生の情報を採用に活用できる。
従来行われていた業務を体験しない内容のものは、新たに「オープン・カンパニー(タイプ1)」という名称に変更される。また、企業がCSRとして実施する内容のものは、キャリア教育(タイプ2)に分類された=図=。
学部や修士の学生に関わってくるのは、タイプ3だ。参加期間は汎用的能力活用型が5日間以上、専門活用型が2週間以上とされており、期間の半分以上の日数で就業体験を実施する。実施の時期は学部3、4年生と修士1、2年生の長期休暇期間とし、学業に支障が出ないように配慮した。
タイプ別に有効活用
タイプ3のインターンは採用選考に関係するが、「どれほどの企業がタイプ3を導入するかはまだ分からない」と本学キャリア支援センターの冨田京子特任准教授は話す。職場の社員がフィードバックも含めて5日間以上のプログラムを実施できる企業はそう多くはなく、大手や余力のある企業に限られると思われるからだ。
そのため、学生は一概にタイプ3のインターンにこだわることなく、オープン・カンパニーなどを有効に活用し、自己分析と企業理解を進めていくことが求められる。特にオープン・カンパニーは、従来のインターンでは参加が難しかった低学年でも参加することができるため、低学年から企業を知る機会が増えることが期待される。
【キャリア支援センターHPに限定情報】
本学キャリア支援センターでは、就職活動に関する各種のイベントや、個別相談の実施など、さまざまな支援を行っている。同センターのホームページからは、特別連携プログラムに参加する企業の、本学学生限定のインターンや採用の情報を得ることができ、実際にここから採用につながったケースもあるという。同センターの門間由記子講師は「『東北大生』を採用したいと考えている企業はたくさんある。キャリア支援センターが提供する情報やイベントは、東北大生に向けられたものが多いので、ぜひ積極的に活用してほしい」と話した。