【ニュース】改修工事、2ヶ月延長~理薬厚生会館、営業再開は今夏以降
昨年7月から改修中の北青葉山厚生会館と本学附属図書館北青葉山分館の工事終了が、当初予定されていた3月から5月へと延期される見込みであることが、本紙の取材で分かった。半導体不足による、設備機器の納期遅延が原因。中に入る施設の営業再開は、食堂と購買書籍店が7月、図書館が11月を予定している。
改修は、理学研究科と薬学研究科が共同で実施する「『北青葉山コモンズ(仮称)』共創拠点形成事業」の第1弾。厚生会館と図書館を、コリドー(渡り廊下)でつないで一体化する。
工事のため、理薬食堂と理薬購買書籍店は昨年5月から営業休止中。附属図書館北青葉山分館は昨年2月から休館していた。工事の延長に伴い、物理系研究棟(青葉山北キャンパス)に設置された臨時図書室、東北大生協による購買仮店舗と弁当販売はそれぞれ続行される。
「『北青葉山コモンズ(仮称)』共創拠点形成事業」は、第1弾と第2弾に分かれる。第2弾では、キャンパス内に点在していた、キャリア支援、学習支援などの各サービスが一つの建物に集約される。実施時期は未定。
厚生会館と図書館をコリドーでつないだ施設は、「北青葉山センタースクエア(仮称)」として生まれ変わる。屋上に設置した太陽光パネルでは、建物内の照明と、食堂で使用する機器に必要な電力の一部を賄う。建物のエネルギー収支の差をゼロに近づける、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化を推進する。新規部分のコリドーは、インターネット環境が整った、自由に利用可能なスペースとなっている。
食堂では、調理場の位置を大きく変更し、座席数を1割増やした。テイクアウトコーナーも新設し、昼食時の混雑緩和を図る。鉄板焼きの料理を出来たての状態で提供する、グリルコーナーも導入予定。購買書籍店は、セルフレジの導入で24時間利用可能になる。図書館は、フロアごとに使用目的を区切る。従来の厚生施設の利用法が大きく改善され、利便性の向上が期待される。
事業を主導した前理学研究科長の寺田眞浩教授が重視したのは、学生の「集いの場」の創出。「これまでの理学部、薬学部には学生の集まる場所がほとんどなかった。ディスカッションの場を作れたら」と、学習環境改善への思いを語った。