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【現場取材】パンとクッキーの店コッペ~誰もが共に働ける場所つくる~

 本学の購買各店舗で毎月、合計1300袋を超えるクッキーを販売する「パンとクッキーの店 コッペ」。仙台市宮城野区の店舗を訪れ、製造の現場を取材した。(深田歩)



ハーブを練り込んだクッキー
「ザータルスティック」の製造の様子


 購買店で販売しているクッキーは、通常のハーフサイズ。価格と量の両面で、学生の買いやすさを考えた大きさになっている。本学で販売している種類以外にも、「オリーブオートミールクッキー」「いちごクッキー」「コーヒークッキー」など店頭には約20種類が並ぶ。



 「どうせやるなら安全でおいしいものを」。コッペでは、原材料にこだわっている。パンとクッキーの主な材料となる小麦は、東北産100%。コーヒーや黒糖などは、フェアトレードの品目を使用している。



購買で販売しているクッキー



 コッペが生まれたのは1988年。今年で営業開始から35年になる。働いている23人のうち、19人が何らかの障害がある。それぞれのできる範囲で、製造や配達の仕事に関わる。クッキーの製造過程の多くが手作業で行われているのはそのためだ。材料の計量や生地の成型、販売に携わっている氏家大介さんは、19歳の時から約14年間コッペで働く。支援学校の高等部時代に実習でコッペを訪れ、そのまま卒業後に就職した。「販売を通してお客さんと話すのが楽しい」と話す。



 97年に運営団体の「麦の会」が発足し、仙台市の助成金を得ながら活動を続けてきた。麦の会は2000年に特定非営利活動(NPO)法人格を取得し、さらに18年には税制上の優遇措置を受けられる認定NPO法人となった。



「コッペを『障害者の働く場所』ではなく、

『パンとクッキーの店』として認識してほしい」

と話す飯嶋さん



 コッペを立ち上げ、現在麦の会で代表理事を務める飯嶋茂さんは、本学法学部の卒業生だ。学生時代、ボランティアサークルの活動に誘われて障害者施設を訪れたことが、現在の活動のきっかけとなったという。



 知的障害を持つ子どもたちが、お盆や冬休みに親の迎えが来ると、うれしそうな顔をする。「親と一緒にいたいはずなのに、どうしてこの子たちはここにいなければならないのだろう」。親が付きっきりで見ているのは難しいというやむを得ない理由で、障害のある人が施設に入所している現状に疑問を感じた。



 施設ではなく、地域の中でみんな一緒に暮らしたい。その思いで生まれたのがコッペだった。障害者が働くための施設ではない。普通のパン屋に、たまたま障害のある人も一緒になって働いている。



 「まずは商品で判断してもらい、『障害者が働く店』という側面は後から感じてもらえたらいいかな」と飯嶋さんは話す。おいしいパンとクッキーのお店として、コッペはこれからも歩みを進める。


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○パンとクッキーの店 コッペ

〒983-0834

仙台市宮城野区松岡町17-1

営業時間は平日の午前9時~午後5時30分。クッキーは常時販売、火曜日~金曜日はパンも販売する。



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