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【深田歩の密着!学食バックヤード】~第3弾 理薬食堂編~ 古いものも生かす 食堂設計のニュースタンダード

 丸1年の閉店期間を経て、今年7月にリニューアルオープンした理薬食堂(青葉山北キャンパス)を訪れた。長い間改装が手つかずだった建物は一変。厨房を覗いて、具体的な変化を聞いてみた。(深田歩)



理薬食堂厨房の天井。いたる所に換気口がある


 圧倒的に天井の穴が多い=写真1=。全部、換気口だ。天井全体を使って空気の入れ替えを行うシステムを採用し、厨房内の温度を一定に保っている。衛生面で効果があるほか、スタッフの労働環境の改善にも一役買っている。



 ご飯をお皿に盛り付けるライスロボも進化を遂げている。旧型の機械では、「中」「カレー」といった種別のボタンを押すことでご飯が出てくるようになっていた。今回新たに導入された機械は、自動でお皿の重さやサイズを認識し、適した量と盛り付け方を実行する。川内の杜ダイニング(川内北キャンパス)、あおば食堂(青葉山東キャンパス)に次ぐ利用者数を誇る理薬食堂。新たなライスロボが、混雑時の提供スピードに貢献する。



 最新鋭の機器や設備が導入される一方で、改修工事前から変わらず使っているものもある。学生が給水やドレッシングをかけるのにセルフで利用する台は、以前からあるものにリメイクシートを貼って新品のように見せるなど工夫もみられる。



 理薬食堂の鈴木美香店長によると「古い機器も使うことで、新装開店する食堂としてはコストを最小限に抑えた」とのこと。これまでは全て買い替えることが多かった大学生協の食堂だが、今後は理薬食堂がモデルとなり、大学を問わず食堂のニュースタンダードとなることが期待されている。



 新しくなって、良いことばかりが起きるわけではない。利用者の目の前で食材を焼き、そのまま提供することを想定して新設されたグリルコーナーは、リニューアル以前から残る柱の存在によって、入口からの死角となる。「せっかく特別なメニューを作っても、学生の目にとどまらなければ意味がない」。後期から始まる同コーナーでの利用に向けて、学生への宣伝方法を模索する。



 また、以前は分割されていた麺コーナーとカフェテリア(麺以外のメニューを提供する場所)の厨房が一体化したが、相互の移動がしやすくなった一方で、厨房全体の面積は狭くなった。働いているスタッフは、多くが以前の理薬食堂にも勤務していたメンバー。「互いのコーナーが忙しくなった時に手伝いに行きやすい」と改善を喜ぶのと同時に、「新たな動線に慣れるので精一杯。リニューアルしてから毎日バタバタしている」ともこぼした。



 取材に訪れたのは9月中旬。学期外にもかかわらず、子供連れや学会の参加者などで食堂はにぎわっていた。今年7月時点の客数は、2019年の約半分。コロナ禍前の水準に戻るにはまだ時間がかかりそうだが、行動制限の撤廃に伴い、利用の幅は広がっていくだろう。




 スタッフが、「理薬は良いよ」と熱く語ってくれた。閉店期間中に他店舗に勤務していたそれぞれが学んだことが、今の理薬食堂に生かされている=写真2=。理薬食堂で生まれ変わったのは、設備だけではないようだ。

学食,大学生協 6891929139327683479
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