【一言居士】ー2023年11月ー

半年前、色彩検定を取得した。だが就活にも、ましてや白黒の新聞を作るうえで役立つこともない▼「白って200色あんねん」という某タレントの名言が流行して久しい。その通り、「白」と一口にいっても無数にあり、数えられもしない▼東北大学病院広報誌『hesso（へっそ）』 が2023年度グッドデザイン賞を受賞した。「全ての人にわかりやすく」を目指したこの広報誌は、ビビッドな配色によって親しみやすい印象を与える▼9月～先月半ばごろ、仙台泉区の仙台大観音が修復工事の過程でピンク色に塗装され、SNSなどで話題になった。高さ100メートルの大観音も、ピンクの心理効果にかかれば「かわいい」の対象になる▼色彩検定はあまり役に立たない。だが、街の見え方は変わった気がする。あの広告はトーンオントーン配色。あの服はビコロール配色。何度も通った場所も、大観音ですら色に注目することで表情を変える。鮮やかな色彩の多い秋、紅葉はもちろん、日常の中の色にも目を向けると案外面白い。　　　　　　　（文責・鈴木舞優）