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【ニュース】クラファンで健康格差是正へ 持続可能な支援体制目指す

 本学研究者が代表を務める研究者チームとNPO法人ワンファミリー仙台は、クラウドファンディングプロジェクト「困窮する女性や若者を守りたい|日本で広がる健康格差の実態調査を!」9月2日からを開始した。目標金額は300万円で、寄付金はワンファミリー仙台と研究者チーム合同会議の開催費用、支援付き住宅の設備更新や相談支援体制の拡充費用などに充てられる。プロジェクト発足の背景などについて、代表を務める本学医学系研究科公衆衛生学分野の田淵貴大准教授に話を聞いた。



―プロジェクト発足の背景は
経済的な不況や社会の分断により、健康格差の拡大が懸念されています。しかし、日本では健康格差に対する問題意識が低く、格差是正に向けた取り組みは十分に行われていないのが実情です。国民皆保険制度の存在から、医療サービスは全ての人々が平等に受けられるものだとイメージされがちです。「一億総中流」という言葉が象徴するように、日本には大きな格差は存在しないという認識も根強く残っています。新型コロナウイルスの感染拡大が、さらなる健康格差の拡大を引き起こしたとの分析もあります。今もその影響は続き、社会経済的に不利な立場にある人々が困難を強いられる状況が危惧されます。さらに言えば、日本ではコロナ禍当時から、調査をもとに社会全体の健康改善を目指す疫学、公衆衛生学からの知見に基づいた情報発信が他国に比べ少なかった。個人だけでなく社会全体の行動を変えることで、多くの病気をコントロールできます。しかし、日本では自己責任論が強く、個人の責任とされることが多い。しかも、社会的に不利な状況にある人ほど社会からの助けを得る方法に気づいていないことが多いのです。


―プロジェクトは何を目指すのか
 本プロジェクトは、健康格差の存在をより多くの人々に知ってもらうと共に、データ解析に基づいた解決策を導出、社会実装し、課題解決につなげることを目指します。データサイエンスの知見から根拠に基づいた解決策を導き出し、最前線で活動するワンファミリー仙台のノウハウやつながりから新たな視点を得ます。地域全体が支えあう仕組みの構築、持続可能な支援体制の確立が目標です。


―今後の展望は
 社会を変えるには、リアリティのある、感情に訴えかけるストーリーをもって、長期的にさまざまな媒体から情報を発信することが必要です。このプロジェクトはあくまで小さな一歩。訴え続けることが重要だと思います。


 寄付は今月30日午後11時まで行える。

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