東北大生のお財布事情
一人暮らしでは自らやりくりすることが必要になる。そのためには収支を把握することが大切になるが、家計簿などを付けている大学生は意外と少ないように感じる。本学学生にとって標準的な消費はどれくらいだろうか。それを知るために東北大学学部3年生7人のお財布事情をのぞいてみよう。 (竹室斉紘)
【支出項目について】
聞き取りに際して支出項目を食費、物品費、通信費、住居費、水道光熱費の五つに分類した。食費は外食費や自炊のために購入した食材費である。物品費は日用品・衣類・衛生用品・趣味娯楽・文具等消耗品を購入する費用である。通信費には電話料金やインターネット回線利用料、スマートフォン代分割払い費用等が含まれる。住居費には家賃、共益費・管理費、それらの支払いに付随する費用が含まれる。
【データについて】
諸事情のため、Ⅾさんの食費・物品費以外の数値が欠落している。ご了承願いたい。
【総支出】
意外なことに、総支出額はどの個人もおおよそ12万円であった。その内訳には個人差が現れたものの(後述)、住居費と食費で全体支出の6割程度を占める点や、住居費の占める割合が最大である点など共通する点も見られた。
次に項目ごとに個人の消費の詳細について、個人が特定できない範囲で確認していく。
【食費】
Aさんは食事付きの住居に住んでいるため、食費は他と比べて半分以下である。その分住居費が割高であるが、食事を用意する手間が省ける利点がある。
Gさんは日頃研究や授業が忙しく、平日は外食がメインになっている。そのため、食費はやや高めである。
【物品費】
Bさんはサークル・部活動に精力的に取り組んでいる。これらの課外活動において必要な出費が物品費の主を占める。
Aさんの物品費には趣味や娯楽の他に、通学のための交通費が物品費に含まれている。
【水道光熱費】
Cさんは都市ガスの住居に住んでいる。しかし、1日にシャワーを複数回浴びることが多いことに加えて、テレビや空調設備をよく使用することからガス代・水道代・電気代がかさみ、支出が多くなっている。
Fさんは日中外出していることが多いため、照明を使用する時間が短い。また、都市ガスの住居に住んでいるため、抑えめである。
【おわりに】
大学生にとって、収入を操作することは困難である。そのため、支出を上手にコントロールすることで、自分に合った支出体系を構築することは充実した大学生活を送るための要となる。加えて、物価が目まぐるしく高騰する今、支出を管理することはさらに重要である。これを機に、支出について考えてみてはどうだろうか。