【秒撮】追廻住宅ふるさとの碑
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川内キャンパスから徒歩5分。広瀬川のほとりに仙臺緑彩館が立つ。晩夏のこの時期、仙台の夏の風物詩、七夕祭りの巨大笹飾りは3日間の役目を終え、この施設に展示される。
建物のそばには石碑が一つ、ひっそりとたたずんでいる。石碑には「追廻 住宅ふるさとの碑」と刻まれていた。
仙臺緑彩館が立つ追廻地区には、かつて約4千人の住民がいた。戦時中は陸軍練兵場だったこの地に終戦直後、仮設住宅が作られたからだ。空襲被災者や国外からの引揚者のためだった。彼らは苦しい生活の中でも助け合い、戦後を生き抜いてきた。
一方、仙台市の都市計画では、追廻地区を青葉山公園の一部とすることが決まっていた。市による移転補償などもあり、追廻に住む人は次第に減少し、2022年に最後の住民が移転に同意。跡地には市が設置した石碑が残った。
今年、日本は終戦から80年を迎えた。戦争は、遠い過去のものになりつつある。しかし、私たちのそばにもかつては戦争の傷痕があった。そんなことを、この真新しい石碑は教えてくれる。
