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【インタビュー】「つながり」具現化する新聞を

新聞の発行部数が年々減少する流れは、学生新聞も同様である。昨年10月の調査によれば、国立大学に限っても18校で学生新聞の休刊・廃刊が確認された。東北学院大学で学生新聞「TGU新聞」を発行する新聞会も、かつては休部を余儀なくされた団体のひとつだ。だが、コロナ禍を経て復活し、現在は新体制で活動を行っている。同会復活時に入会し、現在は代表を務める釘野美希さん(経済学部2年)に話をうかがった。(聞き手は竹室斉紘)

新聞会代表の釘野美希さん

■学生に親しみやすい紙面を

―現在の新聞会の活動について

 私が1年生のとき、当時3年生の先輩が主導して、休部になっていた新聞会を再開することになりました。再開当初は休部前の活動を引き継ぐ意識が強く、先輩方が残した新聞やフォーマットを見ながら、学祭やスポーツ大会などの記事を執筆していました。しかし、大学広報課と活動が重なり、意味がないのではないかと思い、現在は学内イベントやサークル活動など学生が親しみやすいことを意識して記事を執筆しています。最近は、顧問のアドバイスで「ネタ記事」を取り入れ、より学生に読んでもらえる新聞を目指しています。


 かつては年間3000部を発行し、外部の広告も掲載していた新聞会。国立国会図書館に収蔵されている記録によれば、最も古い新聞は1948年発行の「東北学院大学新聞」(東北学院大学新聞会発行)(※1)であり、大学職員にも「歴史ある部活だから活動を続けてほしい」といわれるほどであるが、復活してからの前途は多難である。

1971年9月30日付の東北学院大学新聞

■活動を阻む壁・人員不足と資金難

―現在新聞制作にあたっての課題は

 課題はたくさん抱えているのですが、特に部員不足と制作コンテンツの不足が喫緊の課題です。

 現在、取材から新聞制作までの活動は主に3名で行っています。記事の質・量を充実させるため、活動に積極的な部員が欲しいのですが、なかなか新聞を書いてみたいという新入生がいません。今年の新歓でも、足を止めてくれる方はほぼおらず、かろうじて入会してくれた1人も兼部先に専念するため辞めてしまいました。

 休部前は文化団体連合会(文団連)(※2)とは独立して活動しており、大学からは活動費を直接いただいていたほか、広告掲載で独自収入もあったそうです。そのため新聞を制作するソフトや印刷代は賄えていました。復活後は規模の縮小もあり文団連傘下で活動しています。初期は収入が全くないため自費で印刷していましたが、現在は印刷について大学の設備をお借りすることができています。さらなる活動の拡大のために実績が求められているので、人員不足・資金難の状況下でも、なんとか実績を作って現状を打破したいです。

―東北学院大学で学生が新聞を作る意義は何だと考えるか

 私が常々考えているのは学生と地域のつながりを新聞という媒体に具現化することだと思います。新聞会で活動をしていると外部とのつながりが多いことに気づくのですが、学院大は規模が大きく地域と密接だからこそ実感できるのでしょうね。


■注釈

※1:東北学院大学新聞

東北学院大学新聞会の発行物は運営代によって紙面タイトルが変わる。会室には「英字新聞」などもある。

※2:文化団体連合会

文化系団体から派遣される人員で構成される学生団体。所属する文化系団体を統括し、活動予算の分配や活動サポートを行っている。東北学院大学学生会の総合役員会を構成する会のひとつ。(東北学院大学学生会のHP参照)


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