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【訃報】岩崎俊一・特別栄誉教授逝去 「垂直磁気記録方式」の発明

  ハードディスクドライブ(HDD)等の「垂直磁気記録方式」の発明で知られる岩崎俊一・本学特別栄誉教授が、7月25日に肺炎のため死去していたことが分かった。98歳だった。

 岩崎氏は1926年、福島県生まれ。旧制秋田中学校を経て49年、本学工学部通信工学科(現在の電気情報物理工学科通信工学コース)を卒業した。51年に助手として本学に戻り、電気通信研究所で研究・教育に力を注いだ。86年からは電気通信研究所長を務め、89年に本学を退官。その後は東北工業大の学長・理事長として、同大の大学院の開設など教育改革にも尽力した。

 岩崎氏は77年、HDDの記録方式の一つである「垂直磁気記録方式」を発明し、世界から注目を集めた。HDDは磁界のN極とS極を交互に切り替えることでデータを記録する。従来の方式では水平方向に磁界をはたらかせていたが、「熱ゆらぎ」と呼ばれる現象が発生し、記録を難しくしていた。岩崎氏の発明は、N極とS極を垂直方向に切り替えて記録することで熱ゆらぎの悪影響を排除しやすくした。しかし、垂直磁気記録方式を用いたHDDの実用化は難しいと認識され、岩崎氏の説は製品開発の本流から外れていった。

 再び岩崎氏の説に注目が集まったのは、発表から20年以上がたった2000年以降。岩崎氏の研究室で学んだ技術者たちが垂直磁気記録方式を用いたHDDの開発、商品化に成功し、垂直磁気記録方式は磁気記録における世界標準となった。こうした業績が国内外で高く評価され、10年に日本国際賞、13年に文化勲章を受章している。

 本学はホームページで「研究に対する真摯な姿勢と先見性は、本学の『研究第一主義』『実学尊重』の理念を体現するものであり、今なお多くの研究者や学生に大きな影響を与え続けています」とコメントを公開し、岩崎氏を追悼した。

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