【研究】デジタル・ビンゴで地域活性化
実証実験に参加する観客ら=1月4日
ゼビオアリーナ仙台にて(写真は同研究チーム提供)
本学が参画する地域DXの実証研究が、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の委託研究として採択され、スポーツ興行を起点とした地域活性化の新たなモデルづくりが本格的に動き出した。Web3(注1)技術を活用し、市民自身がデータの主体となる仕組みを通じて、中心商店街のにぎわい創出を目指す。
本研究は、本学が中心となり、地域のプロバスケットボールチーム「仙台89ERS」や官民連携による地域プラットフォーム「仙台MaaS」と連携して進められている。2021年から続く産学官連携の取り組みが評価され、24年にNICTの委託研究として採択された。そして、今回の実証実験が実施されることとなった。
実証実験では、スポーツ観戦や街歩きを楽しみながら参加できる「デジタル・ビンゴイベント」を開催した。参加者が各地点で取得するスタンプをNFT(注2)として記録する。改ざんが困難な匿名の行動履歴データを生成し、地域全体の人の流れを可視化する。こうしたデータは、特定の企業に依存せず、自治体や商店街が主体的に活用できる「地域ビッグデータ」としての活用が期待されている。
従来、地域活性化においては、データが分散して管理されていることや、プライバシー保護との両立が課題とされてきた。本研究では、参加者自身がデータの管理主体となる仕組みを導入することで、安心・安全なデータ利活用の新しい形を提示する点に特徴がある。
本学研究チームは、今回の実証を通じて、データに基づく地域経営をより身近なものとし、全国各地への展開につながる成功モデルの確立を目指すとしている。
注1 Web3:ブロックチェーンを基盤とした分散型インターネットの概念。従来のように企業がデータを集中管理するのではなく、ユーザー自身がデータの主体となる仕組みを指す。
注2 NFT(Non-Fungible Token):ブロックチェーン上で発行される唯一性を持つデジタル証明。画像やデータなどの所有・履歴を改ざん困難な形で記録できる。
