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【創設30周年】東北アジア研究センターシンポジウム

  本学東北アジア研究センターは1996年に創設された。今年迎える創設30周年を記念して、式典・講演会・シンポジウムが先月15日、16日に行われた。



東北アジア研究センターが入る川北合同研究棟


 テーマは「進化と戦争から再考する地域研究」。本センターでの研究の柱の中には、「人類史的なタイムスケールによる地域理解」と「大国の統治と民族多様性からみる地域」がある。


 前者を担う研究者、特に生物学を扱う自然科学者が用いる概念として「進化」がある。後者に深く関わり、センター創設当初とは世界が大きく変わった要因の一端として「戦争」が取り上げられた。


 「進化」と「戦争」は従来の地域研究では強調されなかった。東北アジア研究からこの二つを考え、その総合化にも挑戦する。そして、斬新な切り口を獲得し、新たな地域理解の展望を開くことが本シンポジウムの趣旨だとセンター長の高倉浩樹教授は述べている。


 16日に開催されたセッションは三つのテーマに分けて展開され、各テーマに本学内外の4名の研究者が登壇した。


 セッション1のテーマは「戦争と記憶:戦争はどう伝えられるか」。


 世界が再び戦争と対立へ歩みを進めつつある中で、かつての戦争の記憶がナショナルなもの、あるいはより個人的、地域的なものとしてどのように捉えられ、変化してきたのかに注目する。


 壬辰戦争(文禄・慶長の役)、アジア・太平洋戦争、第2次世界大戦の記憶が、その後どのように国家や国民に受け止められ、またその在り方が変わってきたかといった内容が論じられた。


 セッション2のテーマは「デジタルヒューマニティーズとオープンサイエンス」。


 従来の研究慣行への反省、学術領域の民主化などの多様な要因からデジタル化とオープンサイエンスが駆動している。それらによって現在行われている議論や現場での実践、本センターでの試みなどについて語られた。


 セッション3のテーマは「進化:地球変動と人類の変化」。


 地球の変動、生命の変化、人類とその文化の変化を「進化」という視点で捉える。地球史の中の出来事が生命・人類に与えた影響、旧石器時代の石器製作技術の変化を通じた人類や文化の変化、生物学における「進化」という言葉の立ち位置、従来批判されてきた一方向的な社会進化論とは異なる、ダーウィン進化論を社会科学化した新しい文化の研究領域といった内容が議論された。



同日のセッションの様子

 東北アジア研究センターとは、東北アジア(東アジア、北アジア、日本)地域に関する地域研究を、学際的および総合的に行う本学の組織。当分野における大学設置研究所型組織としては日本で最大。環境と文化の相互作用としての地域研究を主題に、人文社会科学と自然科学による研究を行う。 冷戦後に国際協調が進んだ流れの中で1996年に設立された。

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