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【PhDC】博士人材のキャリア支援 利用者の高い就職率

  本学高等大学院機構博士人材キャリアデベロップメントセンター(PhDC)は、社会を先導する博士人材の育成とキャリア形成の支援を目的として活動している。



PhDCの展望を語る教員ら(写真は同センター提供)

 PhDCの主な活動内容は①個別キャリア相談②「博士リテラシーの基礎」の実施③ジョブフェアおよびドクタープレゼンの開催④研究インターンシップの紹介――など。


 個別キャリア相談は、博士キャリアに関する不明・不安な点の相談、エントリーシートの添削や模擬面接など、専門の教員が個別に対応する。年間登録者は約240名、相談件数は300件を超え、利用者の就職率は例年95%に近い高水準を維持している。


 「博士リテラシーの基礎」は大学院共通科目であり、博士が今後の多様なキャリアを生き抜くために必要となるトランスファラブルスキル(汎用的能力)について半年間、9回の講義と演習により学ぶ。


 さらに、実践の場としてジョブフェアとドクタープレゼンがある。これらは同日に開催されるプログラムで、今年度は10月8日に行われる。


 ドクタープレゼンは、学会発表のような専門家向けの説明ではなく、非専門の研究者に対し、自身の研究内容をいかに分かりやすく伝えるかを主眼としている。発表ポスターに訪れるのは、企業で実際に研究や開発に携わっている技術者や研究者だ。自身の研究が相手に的確に伝わるか、そのコミュニケーション能力が社会に通用するかを実践的に試す機会となる。参加希望の博士学生に対しては、8月頃から継続的なトレーニングが実施される。

 ジョブフェアでは、約30社の企業ブースが設けられる。各ブースに学生が3名ずつ座り、30分間で企業からの説明と質疑応答を繰り返す。午前中のプレゼン経験で培った力が、午後の密な議論に直結する。この一連のプログラムを通じて就職の方向性が決まる学生も存在する。

 PhDCは、国内の大学の中でも博士支援において最も古い歴史を持つ組織の一つだ。本学に2006年に発足した「高度技術経営人材キャリアセンター」を前身とする。設立背景には、1990年代後半から2000年代初頭にかけての大学院重点化政策がある。当時の本学は教育研究の比重を学部から大学院へと移し、博士課程の学生定員を倍増させた。

 一方で、バブル崩壊後の民間企業は研究・開発部門を縮小し、博士人材の採用に極めて慎重な状況にあった。大学院定員の増加に対して修了生の進路がアカデミアに偏っていたため、増員分が社会で活躍するための受け皿が不足した。これを受け、社会の多様な領域で活躍できる人材を育成・支援することが急務となり、組織的なキャリア支援が開始された。

 「PhDCの認知度を向上させ、研究に埋没しがちな学生を一人でも多く確実にサポートする体制を構築したい」と同センターの教員らは展望を語る。また、企業との連携を深め、博士人材の有用性を産業界に浸透させる。そして、博士号が専門性を超えた能力の証明としてより高く評価される社会環境の整備を目指す。

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