【異国のキャンパスで①】留学生抱える貧困と孤独
フードバンク 支援受けた4割は外国人
25年度の支援データは現在まとめ中だというが、同団体にボランティアとして参加する笠原沙織さん(経・博1)は「国籍にかかわらず、食糧支援を求める依頼はこの1年でさらに増えた」と実感する。
同団体を頼る外国人の大半は、市内の日本語学校や専門学校に通う留学生だ。笠原さんは「東北大の留学生は母国でも比較的上流層だが、日本語学校、専門学校の留学生は実質的な出稼ぎ労働者。母国の気候変動や就職難のため、現地の高校、大学を卒業した後日本に来た」と説明する。
留学生に対する週28時間の就労制限も生活苦の一因だ。電気代節約のため夏場もエアコンをつけない人や、水道料金を払うことができず、給水停止になった人もいる。
近年増えているバングラデシュやネパールからの留学生は、食糧支援にも難しさを抱えている。同団体の食糧支援はインスタント食品や米、野菜が中心だ。しかし、バングラデシュ出身者にはムスリムが、ネパール出身者にはヒンドゥー教徒が多く、豚や牛の脂を含む食品は渡すことができない。
近頃は物価高の影響で、全国のフードバンクへの寄付が減少している傾向にある。同団体は「フードロスだけに頼らないフードバンク」を目指し、23年から自前の畑でジャガイモ、ニンジンなどの野菜を作り始めた。
支援を受ける留学生の中には「お金はないが、自分も困っている人の力になりたい」と農作業を手伝う人も多いという。ボランティアの東北大生にも留学生は多く「農作業するにも英語が必須」と笠原さんは笑う。
理学部 独自の国際交流推進
一方、本学に通う留学生にとって大きな問題となっているのが「孤独」だ。24年度の「東北大学留学生学生生活調査」によれば、留学生全体の36%が、学内に日本人の親しい友人が全くいないと回答している。同国出身の親しい友人についても、全体の18・9%の留学生が学内に全くいないと回答している。
研究やアルバイトに忙殺される日々の中で、留学生が研究室外の日本人と知り合う機会は少ない。日本語が流ちょうでない留学生が多く、研究室の滞在時間も長い理系学生の場合、友達作りがいっそう難しくなる。
本学大学院理学研究科・理学部国際交流推進室は23年から、留学生と日本人、および留学生間の交流を促進するため「語学エクスチェンジ」を開催している。参加者は半年ごとに4、5人程度の少人数グループで交流し、互いの言語や文化について理解を深める。
先月15日に行われたグループ同士の交流会には、約20名の学生が集まり、ゲームや飲食を通して英語や日本語での交流を楽しんだ。
メキシコ出身のアグスティンさん(理・修1)は語学エクスチェンジについて「優しい人ばかりで楽しい。友人もできた」と満足げだ。イラン出身のアティエさん(理・修1)も「研究室の仲間は皆シャイ。だけどここではたくさん話せるから、科学者にとって必要な場」と、積極的に交流する。
さまざまな理由で日本にやってきた留学生たち。抱える悩みは幅広い。今後も留学生は増えることが見込まれるが、支援における課題は山積みだ。私たち一人一人に、支援を越えたつながりが求められている。

