【インタビュー】金研・関剛斎教授 世界を変える発見を求めて
せき・たけし
本学金属材料研究所教授。専門は磁性材料。
金属材料研究所(金研)は本学の附置研究所の一つであり、今年で創立110年となる。金研では金属をはじめ、半導体、セラミックス、化合物、有機材料、複合材料などの広範な材料が研究されている。金研を創立した本多光太郎博士は「産業は学問の道場なり」と唱えた。金研は創立当初から産学連携を重視し、革新的な技術を世に送り続けている。金研で磁性材料の研究をしている関剛斎教授に話を聞いた。 (聞き手は伊藤新)
―研究内容は
スピントロニクスの応用に役立つ新しい材料の研究をしています。従来の半導体を基盤とした「エレクトロニクス」では、電子が流れるか、電荷が蓄積されているかを使って情報を表す技術が使われています。他方、電子には磁石の性質もあり、これは電子の「スピン」が生み出しています。このエレクトロニクスとスピンを融合させた技術が「スピントロニクス」です。
今日、AI(人工知能)の急速な発展で電力需要が急増しています。通常の半導体は、電気を流さないと特性を出しませんが、磁石は電気を流さずとも磁性を示すので、スピントロニクスを応用した半導体技術は省エネにつながります。
―材料研究の面白さは
材料科学は技術革新の基盤になっています。良い例は、磁石です。モーターの性能を向上させる時、強力な磁石ができてしまえば一気に性能が上がります。また、もし室温でも超伝導の性質を示す材料ができたら世界が変わります。そういった世界を変える可能性が、材料を研究する面白さであり意義にもなります。
そして、これは材料の研究に限りませんが、研究にはまだ誰も知らないことを発見して、それを発表できる喜びや楽しさがあります。大それたことでなくとも、実験を通じて得た発見が、自分が世界で初めて知ったことかもしれません。これが研究の醍醐味です。
―金研について
金研は長い歴史で積み重ねられた実績とそれに基づく信頼が国際的にも認められています。国際会議での発表や共同研究を始める際に、東北大=材料というイメージや信頼があるということは有用です。
―高校生へのメッセージ
東北大は学生がこういう研究をやりたいと言ったらやれる環境が整った大学です。なので、東北大に入ってくれた学生には研究を思いっきりやってもらいたい。研究をするともしかしたらその分野で世界一になれるかもしれない。東北大に来て研究の楽しさを味わってもらいたいと思います。
金研創立110周年の記念ロゴ
(画像は同研究所広報班提供)
