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【震災研特集】地上の災害 宇宙で観測 ~災害科学国際研究所⑤宙空災害研究分野~

 宇宙空間または地上で発生する災害を宇宙から観測するための研究を行っているのが、宙空災害研究分野だ。





 宇宙空間で起こりうる災害は多々あるが、なかでも近年注目されているのが磁気嵐だ。これは太陽フレアに伴い放出されるプラズマの塊が、地球の磁気圏にぶつかることで発生する。磁気嵐は、人工衛星や地上の発電所の送電システムの故障を引き起こすため、早急な対策が必要となっている。そこで本研究分野では、嵐の起きるタイミングを事前に予測する「宇宙天気予報」の研究を進めている。磁気嵐発生時は迅速に人工衛星や宇宙飛行士へ注意を促すのが重要だからだ。

 また震災で発生する電波や津波の研究も、JAXAの関係者と始めている。現在の宇宙からの地上観測技術は非常に高く、津波を早い段階から発見することができるという。東日本大震災が起きた3年前には、すでに津波の高さを2・5cmの精度で観測できる衛星が開発されていた(JAXAは精度を保証するセンサーを提供していた)。ただ残念ながらこれはフランスが保有していたため、活用することはできなかった。津波による甚大な被害を二度と起こさないためにも、現在は日本で最新の観測技術を自前で持てるように各研究機関へ働きかけている。

 近年発展の著しい宇宙開発だが、同時に宇宙特有の災害に見舞われる可能性も増えている。本研究分野は地球と宇宙空間を観測できる利点を活かし、地上と宇宙両方の減災に力を入れている。
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