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【ネタ記事】風立たぬ ~飛べ!強欲の紙飛行機~

 巨大紙飛行機を作ろう。突如、考えられたこの企画。その目的は、クリスマスを恋人と過ごし、さらに仲良くなったリア充たちを迎撃するため……ではもちろんない。いくらクリスマスの日を部室で麻雀に明け暮れていたといっても、他人の幸せを憎むほど心寂しくはない。それに私の彼女、クリスマス1週間前にゲーム店の中古の棚で俺を呼んでいたラ○プラスの高○愛花ちゃんがいるからもう平気だし。平気だし……ということで本当の目的は2014年が始まる今、目標と夢を書いた紙飛行機を大空に飛ばし、それらが叶うことを祈ろうということ。それでは皆さんご一緒に!

 「叶え!僕らの夢――。」



 材料は大きめの模造紙を使用。白い模造紙に部員の目標や夢を書いていく。東北大学新聞をより多くの人に読んでもらう、日本一の科学者などの大きな目標や夢が書かれる。ついでにほかのネタ企画(打倒ロビ○ス! 宝くじ当たれ!)の成功も祈って書いておく。しかし他を見てみると、彼女を作る(三次元)、金、単位、金、金、金……かなりのスペースを金が占めるという欲望に忠実すぎる部員たちの意地汚さが透けて見えて仕方ない。目標と夢でいっぱいの希望の紙飛行機になるはずだったが、人間の汚さを象徴するかのような紙飛行機の完成である。


 初号機は何の工夫もない折り方で。シンプルイズベスト。しかし全長1m以上もあれば紙飛行機はペラッぺラで明らかな墜落の予感しかしない。今回、紙飛行機を飛ばす重要なカタパルトの役割を果たすのは部員の中でも胸筋に定評のあるY氏。胸筋カタパルトと名付けられた彼がさっそく初号機を飛ばす。しかし、初号機はそのペラペラの紙装甲に飛ぶことも叶わず、墜落というより落下。当然といえば当然の結果。すぐさま弐号機の作成に取り組む。


 途中で分解することがないようにガムテープで補強しつつ、重みを加える。さらに胴や羽根の部分にそれぞれ段ボールを装着させ骨格を強化。弐号機の完成だ。理系の部員たちはなんか小難しい話をしてこれでは失敗するとか抜かしているが、この紙飛行機作戦の機長の筆者は文系で何度も試行錯誤していくタイプ。細かいことは気にせず、とりあえず弐号機を飛ばす。いけっ、胸筋カタパルト!……墜落。初号機よりは飛んだものの段ボールが重かったのか放物線を描くように墜落してしまった。落ち込んではいられない。


 羽根の段ボールを抜き取った参号機(ちなみにエ○ァンゲリオンの参号機は登場してすぐ殲滅された)で再挑戦。胸筋カタパルトによる5mほどの助走から発射された参号機は滑空と呼んでよい軌道。しかしそれも15mほど飛んだところで木に追突してしまった。筆者はなかなか飛んだと満足したが、理系勢が納得いかない様子。その後、改造を加えた参号機・改や折り方を変えた小型(75㎝)飛行機などが作られたが参号機を超えるものはできない。最後は何度も飛ばしてうまく風に乗るのと胸筋カタパルトの全力の胸筋に期待し何度か挑戦したところで寒さに限界がきてこの作戦は終了。


 中途半端な記録に、我々の2014年の目標は2014年が始まる前から失敗の予感を残してしまった。やはり人間の欲望という重い罪をのせた紙飛行機は飛ばないのであった。再挑戦に燃える部員たちだが、その前に除夜の鐘を鳴らして、煩悩を消すのが最優先のようだ。
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