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【さぁくるどうでしょう】②-Windnauts


東北大学Windnautsは、毎年7月に琵琶湖で開催される「鳥人間コンテスト」への出場を目的に、1993年に設立された。人力プロペラ機による飛行距離を競う「人力プロペラ機ディスタンス部門」において4度の優勝経験を持つ。2008年に同部門で記録した大会記録は、未だ破られていない。



凍てつく師走の寒さの中でも、作業場は熱気に満ちていた。サークル会館一階の会議室。泊まり込みで機体作りをする部員達がいた。


 写真上で行われているのは「桁」と呼ばれる飛行機の骨格を作る作業。アルミパイプにカーボンシートを巻き付けて、カーボン製の桁を作る。一本を作るのにかかる時間は丸3日。これを15本ほど作るのだから、週末は夜を徹しての作業が続く。「目指すのは必要エネルギーを最小限に止めた機体。そのため軽くて丈夫な桁作りは重要な工程です」と設計リーダーの門井裕輔さん(工・2)。一月下旬からは、高い精度が要求される主翼製作が本格化する。


パイロットも準備を進めている。今年の機体に乗り込むのは佐々木颯清さん(工・2)だ。佐々木さんは高校3年の時、震災を乗り越えて優勝した先輩の姿をテレビで観ていた。「自分も琵琶湖の空を飛びたい」。強く思った。現在は部室にあるエアロバイクをほぼ毎日、4~6時間こぐ。「中学、高校と水泳をやっていたので体力には自信があります。今からどのようにテレビに映るか考えていますよ」。憧れの舞台を前に、佐々木さんは静かに闘志を燃やしている。


彼らの活動にマニュアルはない。学部1・2年生による挑戦だ。そのために多くの人たちが、Windnautsを支えている。技術面ではOB・OGが、資金面では東北大学基金が、そして精神面では全国から届く応援メッセージが。代表の高山千晶さん(工・2)は「皆様の支えが大きな力になっています」と話す。


2011年に優勝した時のパイロット、中村琢磨さんは飛行中に「東北大学だろ。Windnautsだろ」と自らを奮い立たせた。彼らには、東北大学Windnautsとしての負けられないプライドがある。昨年は機体の不具合で苦杯をなめただけに、今年にかけるメンバーの思いは強い。


高山さんは言う。「琵琶湖の借りは琵琶湖で返します」。今年の7月、東北の希望を乗せて、完成した機体が琵琶湖の空を舞う。
Windnauts、どうでしょう。
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