【ネタ記事】参上! 怪人クリスマスマン! ~キャンパスに幸せを~
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さて、場所は変わって東北大学。クリスマスは今年もやって来ない。いや、そもそも存在しない。キャンパスの至るところで講義の音色が奏でられ、夜になると研究棟の窓は溢れんばかりの光を放つ。道行く人々の単位は浮かず、雪が降れば帰る手段がなくなって落込むのだ。
何だこれは……。悲しいなぁ。そう、光が強ければ闇もまた深い。前者が光のページェントならば、後者は闇のページェント。毎年闇に飲まれるままで良いのか。戦って、明るく幸せなクリスマスを手に入れるのだ!
かくして、一人の報道部員に白羽の矢が立ち、改造手術を施された結果誕生したのが「怪人クリスマスマン」だ。ミッションはただ一つ。「キャンパス内を徘徊&通行人にお菓子を配ることで、クリスマスチックな雰囲気を与えよ」。さあゆけ、クリスマスマン!
夜8時の川内キャンパス。クリスマスマンは厚生会館前で待機していた。早速、第一通行人発見。すかさずクリスマスマンは声をかける!
しかし通行人は華麗に無視!
「こいつは厳しい戦いになりそうだぜ……」。一筋縄では行かない戦いに、クリスマスマンは覚悟を決める。するとまた通行人が。今度は仕留める!
一瞬で相手の懐に入る「必殺・クリスマス急接近」!
たくみな話術で相手を引き込む「必殺・クリスマス交渉」!
そしてお菓子を配る「必殺・クリスマスお菓子配り」!
完璧だよ完璧、ハハハハ、ハハハ!
……しかしこちらも華麗にスルーを決められ、彼はなす術もなく通行人の背中を見送ることしか出来なかった。当前だ、傍からみたらただの変人。できるだけ関わりたくないというのも理解できる。その後もちらほらと人は通るものの、先の戦闘で傷を負ったクリスマスマンはアクションを起こすことができず、虚空を眺めるばかり。すると今度は5人グループの通行人が現れた。恐らくこれが最後のチャンスだ。そう悟ったクリスマスマンは、最後の力を振り絞って立ち向かっていった。結果、案外すんなりとお菓子を配ることが出来た。こういう時はグループの方が貰ってくれやすかったりする。あとはキャンパス内を徘徊すればミッションコンプリートだ。もう何も怖くない!
クリスマスマンはキャンパスを疾走した。自らの存在を人々に知らしめるかの如く疾走した。すると、背後から一人の男に声を掛けられた。お菓子が欲しいのだろうか?
満面の笑みで振り返る――警備員のおっちゃんだった。「何やってんの?」「いや、キャンパスにクリスマスチックな雰囲気をですね」「それは構わないんだけど、格好がね……」職務質問を受け、その行いを懺悔した。一気に現実に引き戻されたクリスマスマン。最早戦う意味を失った彼は、夜の闇へと消えていった……。