【研究成果】個性に関する新領域発足 ~個性の成立・意義の解明目指す~
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医学系研究科の大隅典子教授を領域代表とする文部科学省科学研究費補助金新学術領域「多様な〈個性〉を創発する脳システムの統合的理解」(領域略称「個性」創発脳)が発足した。多様な分野の研究者が連携して「個性」がどのように創発されるのかを理解することを目指す。
さまざまな「個性」は遺伝情報であるゲノムの個体差が元になっている。育ち方や生活習慣などの環境的要因によっても「個性」の発露は変化することが明らかにされている。一方で、認知的能力や人格など、脳神経系の機能に依存した心的機能においても「個性」は認められるものの、その神経基盤や遺伝的、環境的背景については十分には明らかにされていない。また、一般的な理系の研究では集団の平均値を比較するため、平均から外れたものはあまり注目されてこなかった。
しかし、近年ではヒトの脳画像のデータや動物の各種行動観察データ、神経活動データといった「ビッグデータ」を扱える時代となり、解析に用いるツールも性能が向上している。こうした学術的背景が、大隅教授自身が持つ心理学や言語学といった人文社会的な分野への関心と相まって複合的な学術領域である「個性」創発脳は発足した。
この学術領域研究は、人文社会系に軸足を置くA01項目、生物系のA02項目、理工系のA03項目に分けられる。各項目の計画研究者ならびに公募研究者が密接に連携することにより、脳神経系発生発達の多様性や介入によるゆらぎを解明し、集団における「個性」成立の法則やその意義を明らかにしていく。ヒトにおける「個性」創発を解析するA01項目、動物を用いて解析するA02項目を、研究に必要なツール開発や数理解析を行うA03項目が支える形となる。
既に公表されている計画研究の中で大隅教授はA02項目の研究を担当。マウスを用いて精子形成過程から次世代の固体の行動までを解析し、父マウスの加齢や脂質の過剰摂取が仔マウスの「個性」発露にどのような影響を与えるのかを調査する。分担研究者である文学研究科の原塑准教授は、研究の進行に伴って生じる生命や身体の取扱いに関する倫理的、法的、社会的課題を取り扱う。
現在、研究に携わっているのは15人程度。平成29年度の公募研究では20件ほどが採択される予定であり、「個性」創発脳は来年度から本格的に研究が始まる。それに先立ち、今年12月には第1回領域会議が仙台近郊で開かれる。多様な研究手法、対象が存在する本領域において新たな研究者の参画が、研究の幅を広げることが期待されている。
さまざまな「個性」は遺伝情報であるゲノムの個体差が元になっている。育ち方や生活習慣などの環境的要因によっても「個性」の発露は変化することが明らかにされている。一方で、認知的能力や人格など、脳神経系の機能に依存した心的機能においても「個性」は認められるものの、その神経基盤や遺伝的、環境的背景については十分には明らかにされていない。また、一般的な理系の研究では集団の平均値を比較するため、平均から外れたものはあまり注目されてこなかった。
しかし、近年ではヒトの脳画像のデータや動物の各種行動観察データ、神経活動データといった「ビッグデータ」を扱える時代となり、解析に用いるツールも性能が向上している。こうした学術的背景が、大隅教授自身が持つ心理学や言語学といった人文社会的な分野への関心と相まって複合的な学術領域である「個性」創発脳は発足した。
この学術領域研究は、人文社会系に軸足を置くA01項目、生物系のA02項目、理工系のA03項目に分けられる。各項目の計画研究者ならびに公募研究者が密接に連携することにより、脳神経系発生発達の多様性や介入によるゆらぎを解明し、集団における「個性」成立の法則やその意義を明らかにしていく。ヒトにおける「個性」創発を解析するA01項目、動物を用いて解析するA02項目を、研究に必要なツール開発や数理解析を行うA03項目が支える形となる。
既に公表されている計画研究の中で大隅教授はA02項目の研究を担当。マウスを用いて精子形成過程から次世代の固体の行動までを解析し、父マウスの加齢や脂質の過剰摂取が仔マウスの「個性」発露にどのような影響を与えるのかを調査する。分担研究者である文学研究科の原塑准教授は、研究の進行に伴って生じる生命や身体の取扱いに関する倫理的、法的、社会的課題を取り扱う。
現在、研究に携わっているのは15人程度。平成29年度の公募研究では20件ほどが採択される予定であり、「個性」創発脳は来年度から本格的に研究が始まる。それに先立ち、今年12月には第1回領域会議が仙台近郊で開かれる。多様な研究手法、対象が存在する本領域において新たな研究者の参画が、研究の幅を広げることが期待されている。