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【ネタ記事】「速読王」に俺はなる! ~1冊1分で名作を読む~

 休日なら0・5冊ゥ……、ぐらいですかねえ……。これは筆者が休日に読む本の冊数だ。筆者の所属は曲がりなりにも文学部。しかしほとんど本を読まないとなると、文学部生の名折れになってしまう。そんな時、本も読まずにYouTubeを見ていると「速読王」なる人物を紹介しているCMに出会った。休日には1日で4000冊も読んでしまうという速読王の存在に、休日でも本を1冊も読まない筆者は自分自身に大きな危機感を抱いた。




 そこで筆者も速読に挑戦してみることにした。1日で4000冊とはいかないまでも、1000冊くらい読むことができるようになればまったく本を読んでこなかったこれまでの大学生活を取り返すことができるだろう。

 そのためにはまず、今の時点でどの程度速読できるか確かめてみる。本学図書館で何となく選んで借りてきた2冊の本。これらを各1分以内に読み切り、本の内容についてクイズを出してもらう。このクイズに答えることができれば速さと理解を両立することができるだろう。今回借りてきた本は、福沢諭吉著『学問のすすめ』、サン=テグジュペリ著『星の王子さま』だ。どちらも本が好きな人、本をそこそこ読む人なら読んだことがある作品と言えるだろう。筆者がほとんど読んだことはないこの2冊を、これからの充実した速読ライフのための試金石に選んだ。

 部室に居合わせた先輩に協力してもらい、時間を計って速読をやってみる。まずは『学問のすすめ』からだ。1分にタイマーを合わせて読み進む。ダメだ。まったく内容が頭に入らない。学問の「が」の字も理解することができなかった。さて、ここで先輩にクイズを出してもらう。「有名な天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らずの意味は?」諭吉の学問を全く理解は出来なかったが、その文言は知っている。そこから答えの推測はできるのだ。「人間は元々頭の良さは同じなのだから勉強をしなさい、ということ!」

 この調子で次は『星の王子さま』を読む。子供向けという事もあってか1文字1文字が大きく読みやすそうだ。先ほどと同じく1分計って読む。目に映る文字を覚えようとするが、頭に残る単語は「バオバブ」と「法務大臣」のみ。主人公の名前すらもわからなかった。次のクイズは「この本が伝えるメッセージは?」筆者は「バオバブ」という言葉を発することしかできなかった。

 速読はやはり難しい。速く多く読んでも内容をしっかり理解できないこともわかった。1冊1冊を大切に読んでいくことが読書のあるべき姿であるだろう。
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