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【総長退任号外・特集】里見総長在任期間中の本学の足跡 ~6年で本学にもたらされたもの~

 里見総長が在任した6年間、本学にはさまざまな成果がもたらされた。ここではその功績を振り返る。




 里見総長が就任した2012年は東日本大震災が発生した翌年だった。同年4月には、巨大災害の被害軽減に向けた実践的防災学の国際研究拠点として、災害科学国際研究所が設立された。小紙でも幾度となく取材してきた同研究所は、さまざまな防災研究を続けている。仙台、そして東北が国際的な防災学の拠点となるように多くの取り組みがなされている。

 また、東北地方は慢性的な医師不足と、震災の津波被害による病院への被害や医療従事者の流出が課題だった。これらを解決するために、本学は地域医療再構築プロジェクトを打ち出した。被災地の医療支援、未来型医療を担う人材育成、そしてバイオバンクの構築を柱とした東北発の次世代医療の実現を目指す計画だ。このプロジェクトを背景として、東北メディカルメガバンク機構が14年6月に竣工。たくさんの人々のゲノムを解析し、国規模でのゲノム医療に大きく貢献した。

 本学は東北地方の総合大学として、「知」を結集し、復興に貢献してきた。本学では東北大学復興アクションとして復興のために今もさまざまな取り組みを行っている。

 さらに「知のフォーラム」が日本で初めて本学で導入された。知のフォーラムとは、ノーベル賞を受賞した科学者をはじめ、世界的に有名な学者を本学に招いて滞在してもらい、その間本学の教員や学生たちと研究について議論を交わしてもらうプログラム。そのための施設である「東北大学知の館」も15年3月に開設された。

 今年度には、本学が指定国立大学法人に指定された。指定国立大学法人とは日本を代表する総合大学として国際的な競争環境の中で、世界の有力大学と伍していく大学として法律上認められた大学のこと。「世界から尊敬される三十傑大学」を目指して、創造と変革を先導する大学としての役割を果たす。本学は、研究の面では「材料科学」、「スピントロニクス」、「未来型医療」、「災害科学」の4領域で世界トップレベルの研究を推進する拠点となった。

 研究に力を注ぐことは大学という研究機関にとって最も重要なことの一つである。本学ではほかにも研究力を高めるためにさまざまな施策を取っている。十分に使いこなして日々の研さんに励んでほしい。

 研究以外の面では、キャンパス環境の整備にも取り組んだ。震災前から構想されていた青葉山新キャンパスの移転事業は、今年度から本格的に使用開始となったことで、里見総長の下で一つの節目を迎えた。移転事業は国費に依存せずに行われており、これは国立大学としては初めてのことだ。新キャンパス以外でも、附属図書館本館の大規模な改修や川内ホールの新設など、キャンパスライフがより充実するようになった。

 4月には大野英男教授が新たな総長に就任する。大野新総長がどのような方針を立て、多くの成果をもたらしてくれるか期待したい。
特別号 4962574649875254984
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