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『仙臺アルバム』復刊 ~仙台の原風景を伝える~

 仙台市の市制が施行されたのは1889年。2019年は市制130周年の節目の年である。それを記念して、大正時代に出版された当時の仙台市内を写した写真集『仙臺アルバム』が、株式会社イーピー・風の時編集部から104年ぶりに復刊される。

 風の時編集部は「仙台の原風景を観る、知る。」をテーマに、仙台市の文化や風俗を取り扱った本を多く出版している。伊達政宗にまつわる多くの伝説の出典に迫る『あやしい政宗伝説』。100年前と現代の仙台市の地図を見開きで見比べ、過去の街の様子を感じながら街歩きを楽しむことができる『仙台地図さんぽ』など、郷土愛を感じさせる本が数多く揃っている。

 代表取締役の佐藤正美さんは、自身は歴史に関してはほとんど素人であるという。しかしそのうえで、「素人の目線から、仙台に遺されたものを振り返り、調べ、他の人にもそれを伝えたいと思っている」と、出版の原動力を語った。また「東日本大震災をきっかけにして、自分たちの足下を見直し、語り残すことの大切さを多くの人が感じている」と、最後の発行から1世紀以上も経た今、郷土史を振り返ることの重要性を強調した。

 今回復刊される『仙臺アルバム』は、大正時代に市内で写真家として活動していた白崎民治が、大正天皇の即位に際して出版した写真集だ。仙台市内の役所や観光地、学校などを撮影した、350枚の写真が収録されている。それに加えて、弁護士や医者といったさまざまな職業の人々の家や事務所、店も住所入りで掲載されており、当時の仙台市の姿を知る貴重な資料にもなっている。

 「大正時代の仙台市の街並みは、太平洋戦争で仙台市が空襲を受けるまでは保存されており、年齢によっては写真の中の仙台に懐かしさを感じる人もいるかもしれない」と佐藤さん。そして若い人たちにも、今と昔の街並みを比べ、仙台の原風景を知ってほしいと話した。今回出版される写真集は大正時代当時のものと変わらない形式で、それに別冊の解説書が加わる。

 また付録として、東北を中心に活動するシンガー・ソングライター、あんべ光俊さんが歌う大正時代の流行歌『カチューシャの花』と『恋はやさし野辺の花よ』のCDも収録されている。佐藤氏によると「大正時代の流行歌の中でも、この2曲は現代の歌謡曲のはしりとも言えるもの。アルバムを見ながら一緒に聞いてもらうことで、当時の雰囲気を感じてほしい」との思いで収録されたものだという。

 『仙臺アルバム』は500冊限定で制作され、8月ごろに発売される。現在は市内2か所の書店で予約を受け付けている。詳しくは風の時編集部のホームページを見てほしい。ぜひこの機会にアルバムを手に取り、仙台の原風景を感じてみては。
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