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【ネタ記事】教えて、占い師さん! ~的確な助言を求めて~

 人間の悩みは大半が未来への不安によるものと言っても過言ではない。長期的に言うのであれば、就職や結婚、自分の人生について。短期的には試験や対人関係に関して不安に駆られることが多い。実際、朝の情報番組の星座占いや血液型占いなどで自分が良い順位の時はうれしくなるし、悪い順位の時はそこに示されているラッキーアイテムをなんとなく持ちたくなる人もいるだろう。

 だが、それは気休めに過ぎないのではないだろうか。そもそも、日本だけで1億人以上いる人間の運勢をたった12種類の星座や4種類の血液型で言い当てられるはずがない。

 そうはいってみるものの、うまくいかないことが続いた時や自力では解決できない問題に直面した時など、占いに頼りたくなる時もある。そこで、仙台駅近くの某ビルの占い師のもとを訪れることにした。一般化しすぎた血液型占いや星座占いではなく、個別に占われるのであれば多少は自分の現状に即したことを言ってもらえるのではないかと思ったからだ。

 手相やタロットカードを基に健康運、恋愛運、仕事運、対人関係など今後の人生について総合的に占ってもらった。開始早々、「70歳になったら病院通いになる」と言われたのはショックだったが、26歳で恋愛運が上向く、仕事は大成するなどの励ましの言葉や、優しい性格をアピールすべき、とのアドバイスももらった。

 さらに驚いたことに、冷え性であること、意見を言えず溜め込んでしまう性格であることを見抜かれた。加えて、その時に空腹だったことまで言い当てられ、この占い師に対する信頼度がかなり上がった。

 そんな中でいくつか運気を向上させるための助言をもらった。大きく分けて「ラッキーカラーは緑」、「言葉の選び方が若干雑なので本を読むこと」「冷たい飲み物は少しぬるくしてから飲むこと」の三つ。思い返してみればこれらも的を射ている。筆者が着る服や持ち歩くアイテムに緑のものは少ない。本を読んでもすぐに飽きてしまい習慣にならない。そして、氷の入った飲み物が大好きである。

 そして、占ってもらってから数週間が経った。筆者の生活になんら変化はない。むしろ運気が下がっているのではないかと思うことばかりだ。「おいおい、やっぱり占いはうさん臭いな」。

 あきれていると、ふと筆者は気付く。「あれ、何一つアドバイスを実践していないぞ……」。緑のアイテムを買うくらいならラーメンが食べたいし、読書はせずにスマホばかり見ている。おまけに、ファミレスでは氷入りの飲み物ばかりを飲んでいた。どうやら意志が弱く自分の欲求が抑えられないようだ。「じゃあ、忍耐力を鍛えるためにまずは護摩行、滝行、お遍路でもやるか」。そして筆者のスピリチュアルな旅は続く。
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