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バランスよい食事のために ~「一品ものに一皿プラスを」~

 大学生協の学食を利用すると、レシートには「赤」「緑」「黄」の文字と数値が記載されている。あれらは「三群点数法」という栄養表示法だ。赤緑黄の表示が、80キロカロリーを1点として、それぞれが大まかに「体の中で血や肉になるもの」、「体の調子を整えるもの」、「働く力になるもの」を表しており、1日に、赤の食品群から6点、緑の食品群から3点、黄の食品群から11~16点とることが推奨されている。




 今回は、大学生協事業連合の村上綾愛さんと東北大学生活協同組合食堂本部の増田静枝さんに、三群点数法や大学生の食生活、大学生協の食堂運営について伺った。

―なぜ三群点数法を採用しているのですか

 導入したのは10年以上前ですが、当時は「レシートをみて一目で栄養バランスがわかる」方法として画期的でした。三群点数法は表示する情報が少なくて済むので。

 ただ、栄養学の進歩や技術の向上を受けて、三群点数法が学生の食生活の管理にふさわしいのかという議論もあります。例えば、「ポテト&コーンサラダ」のポテトは栄養学的には黄の食品群に分類されるべきですが、三群点数法では緑になってしまいます。これでは、学生に「体の調子を整えるためにはイモを食べていればいい」という誤解を与えてしまうでしょう。このように、三群点数法による表示と栄養学的な分類が一致しない場合があります。

―学食メニューはどのように開発しているのですか

 大学生協の食堂で提供するメニューには、共通メニューと大学の独自メニューの2種類があります。共通メニューは、東京に開発する機構があり、北海道、東北、関東、東海の食堂で共通のものを提供しています。

 独自メニューは、文字通り大学ごとに作られたメニューで、共通メニューで対応できない細かな需要に応えます。例えば、ハラルメニューのように宗教的な事情に配慮したものや、学生の食事をみて現場の食堂職員が考案するもの、学生委員の公募により採用されるメニューなど、開発方法はさまざまです。最近では、ある先生からベジタリアンメニューの要望もありました。

―同一メニューでも店舗ごとに有無が生じるのはなぜですか

 店舗ごとに業務形態や利用者が異なるからです。店舗の担当者が、店舗イメージやキャンパスにいらっしゃる方に合わせて提供するメニューを考えています。

 また朝から夜まで営業している店舗は時間帯にも合わせて提供するメニューを変化させています。昼ピーク時は食事を提供するスピードを重視しています。座席を2回転しなければ、お客さん全員が食事して午後の予定に向かうのは難しいので、その時間だけメニューを絞ります。一方、夜ご飯はスピードより、楽しく食事してもらえるように夜だけのメニューを提供するといった工夫をしています。さまざまな店舗がありますので、ぜひ各店舗ご利用いただきたいです。

―学食をどのように利用すべきでしょうか

 最近の学生さんは特に、カレーや麺、丼といった一品もので食事を済ませてしまう方が多いです。そういうときにも、せめて野菜を一皿加えてほしいです。1日に1食でもよいので、「主食・主菜・副菜・汁」という定食のようなバランスの良い食事をとってほしいと思います。

―大学生の食生活についてアドバイスを

 ミールカード利用者は、ミールカードを上手く使って欲しいです。ミールカードの上限金額は、これに合わせることで、自然と栄養バランスの整った食事がとれるように計算されています。

 また、昨年4月のアンケートでは、ミールカード利用者の方が、一食にかける希望額と実際に使った額の両方が高いという結果も得られました。ミールカードを「使い切ろう」とすることで、自然と食事に多様性が生じるのだと思います。ミールカードを利用していない方も、このような食事を意識してほしいと思います。

―急いで食事をとりたいとき、学生が野菜ジュースやサプリメントに頼ることはどう思いますか

 飲まないよりは飲んだほうが良いとは思います。でも、あくまで補助的に利用する範囲にとどめてほしいです。

 例えば、天然魚と飼料により育てられた養殖魚では、消化吸収機能に差が生じるという研究があります。人間にも同じことが言えるのではないでしょうか。顎や消化吸収に使う器官の機能を維持するためにも、しっかりと噛んで食べる食事をしてほしいです。

―食堂の利用者に一言

 現場の職員は、学生のことを自分の子供のように考えています。顔を覚えている学生もいて、乱れた食生活をしていると話題に上るほどです。学生のためにも、大学生活という短い期間の中で、自身の食生活を考えられるような食堂にしたいです。
キャンパス情報 3031995534478085181
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