【一言居士】―2020年1月―親孝行
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毎年、正月三が日のうち1日は親戚一同が祖母の家に集まり、夕食を囲むのが恒例となっている。実家から祖母宅へは、車で15分。今年も、父が家族を乗せて自家用車を運転した。帰りは例年母が運転するため、酒を断っていた。しかし今年は酒が飲めると喜んだ。私が去年、運転免許を取得したからだ。未成年で酒が飲めないため、運転手に任命されてしまった▼いざ帰るとなると、私が運転する車に乗ったことがない母は、本当に安全な運転ができるのか不安がった。自分から私を運転手に任命していながらひどい話である。母のみならず、叔父や伯母まで心配する有様なので、幼い頃から知っている子どもが運転するとなると、やはり心許ないのかもしれない▼しかし15分の距離で道路もすいているとなれば、無事に家に着くことができた。母はそのことに驚きながらも、感謝してくれた▼これまで何気なく親がしてくれていた運転を自分でもできるというのはどこか誇らしい。親孝行というにはささいだが、来年も母には酒を勧めて、自分で運転しようかという気持ちになった。心配性の母が遠慮しなければの話だが。
(文責・臼井)