【被災地特集 in女川町】相原義勝さん ~震災からの再起、女川を盛り上げたい~
https://ton-press.blogspot.com/2020/12/fruit.html
シーパルピア女川の一角にある「相喜フルーツ」の店主、相原義勝さん(73)は長年女川町で青果店を営んでいる。震災前、同店は旧女川交番の3軒隣に店を構え、地元客でにぎわっていた。震災発生当時、相原さんは配達中の車内で大きな揺れを感じた。店に戻ると、建物自体は無事だったものの、店内は物が散乱した状態だった。相原さんは、急いで店のシャッターを閉め、妻と共に旧女川町立病院の方に逃げた。その後津波が到達し、相原さんの青果店を含め、多くの建物が流された。
震災後、女川町で一番早く店を再開させたのは相原さんだった。相原さんは、震災からわずか1カ月しか経たないうちに、テントを立てて店を始めた。相原さんは、「何もしないより、体を動かす方が良いと思った」と語る。テントでの営業は約1年間続き、ボランティアや地元客が買い物に訪れた。その後、10軒ほどの店からなる仮設商店街である「女川コンテナ村商店街」での出店を経て、現在に至る。
オープンで入りやすい雰囲気を持ち、広い駐車場もあるシーパルピア女川。メディアによる宣伝効果もあり、観光客から高い人気を集める。相喜フルーツでは来客の8割を観光客が占め、シーパルピア女川に移転後、急激に観光客が増えたと感じるという。
震災前は約1万人だった女川町の人口は、現在約6000人に減った。一方で、シーパルピア女川には30、40代という若さで移住し、店を構えている人も多い。相原さんは、「震災後の方が、女川を盛り上げたいという気持ちで一致団結しているように感じる。今後さらに観光に力を入れていきたい」と意気込んだ。