【被災地特集 in女川町】厨勝義さん ~若い世代が引っ張る、女川のまちづくり~
https://ton-press.blogspot.com/2020/12/sekken.html
女川町中心部の商店街、シーパルピア女川には若者の声を大切にしてきた、女川町の思いがよく表れている。この商店街で三陸石鹸工房KURIYAを営む厨勝義さんは、女川町の復興に携わってきた若い世代の一人だ。
「60歳以上は口を出さない、年寄りが口を出すのはカッコ悪いという風潮があるんです」と話す厨さん。女川町では震災直後からまちづくりは若者に任せるというムードがあった。若者が町の方向性を決め、町を一から作っていく。こうしたまちづくりは、町外の若い人も町に惹きつける。
シーパルピア女川の店舗の4分の1は震災後に女川町外から来た人が始めた店だという。厨さんも震災後に県外から移住し、店を開いた一人だ。こうした町外から来た人のための創業支援も、若い人を中心に役場、商工会、銀行など町全体が一丸となって行っている。
厨さんは「女川町には新しいことを始めてみよう、面白いことをしよう、というアグレッシブな人が多い」と感じているそうだ。被災した太平洋沿岸の町で唯一巨大な防潮堤を作らなかった女川町。これもアグレッシブな人がいたから実現したことだったのだろう。
また、震災後町の人口が大きく減少したため、町民の多くが、このままでは町がなくなるかもしれないという危機感を持っている。「この危機感も復興への原動力の一つになっている」と厨さんは話してくれた。
若者が中心となってまちづくりを進め、年長者がそれを見守る。このムードが町の復興を早め、魅力あふれるまちづくりを実現したといえよう。ぜひとも女川町を訪れて、そうした町の雰囲気を感じてみてほしい。