【応援号2021】令和3年度報道部入部問題・現代文
次の文章は、春野いちご「ツンデレ助教授に愛されすぎて困ってます!」(全53巻)第1巻の一節である。これを読んで後の問い(問一~五)に答えよ。(配点50)
目の前の光景に、目を疑う。
だって、そこにいたのは
―あたしが、ずっと(1)あこがれてた人。
~・~・~・~・~・~
ちょうど1年前の夏にあったオープンキャンパス。
友達に(2)こんがんされて付き添いで来たけど、キャンパスまでの横断歩道を歩いてるときから、あまりの暑さと人混みに帰りたくなった。
ごった返す人並みに何度か友達の姿を見失いながら必死で食らいつく。
―その時
「東北大学新聞でーす」
大学生らしき人が道行く高校生に何やら配っている。
人混みの(3)すきまから突き出されるように渡された新聞を思わず受け取る。
次の瞬間、あたしは記事の写真の男性に釘付けになった。
かっっ…カッコいいぃ…!
すっと通った鼻筋に、薄く(4)きんせいのとれた唇。印象的な目元は、ぱっちりした【 ア 】。
優しい眼差しでこちらに微笑みかけている。
大きな文字で
「若きイケメン助教授に聞く! 経済の未来」
という見出しが踊る。
あたしが一目惚れした人は、成瀬真斗っていうらしい。名門T北大出身で、成績優秀のため博士課程を早期卒業。現在は母校の大学で助教授をしている。
その甘いルックスとめざましい研究成果から、最近ではテレビや雑誌なんかでもひっぱりだこ。今をときめくイケメンエリート教授なのだ。
そんな教授に憧れて、あたしは猛勉強の末、晴れてT北大に合格した。
…まではいいものの、キャンパスで教授の姿すら見かけない日々。
しばらく教授のことは忘れようとしていたあたしの目に飛び込んできたのは、
―憧れの教授が、講義棟近くの茂みで猫をなでている姿だった。
~・~・~・~・~・~
「な…え、あ、あのっ」
「…何?」
(5)ひざの上の猫をなでながら、教授はゆっくり目線あげてあたしの方を見た。
やっぱり成瀬教授だ…!
「こっこんなところで、何をされてるんですか?
ってゆーかあたし、教授のファンなんです…! ずっと会いたくて…」
「…ちっ」
…へ?
「いるんだよなぁ…ところかまわず大きな声で話しかけてくる奴。…猫が逃げちまったじゃねぇか」
教授は吐き捨てるようにそう言うと、足早に講義棟の方へ立ち去ってしまった。
(a)…な、なんなの!?
ほんとに今のが、成瀬教授…!?
信じられない…あたしの王子さまは…!?
問一 傍線の箇所(1)~(5)を漢字に直せ(送り仮名も含めよ。) (各5点)
問二 【 ア 】 に入る「目の横幅が大きく、切れ長でふっくらとした目」という意味の7文字の言葉を答えよ。(3点)
問三 イケメンエリート教授、成瀬真斗のように、外見が優れ、有能な人のことを俗に何というか。3文字で答えよ。(2点)
問四 傍線部(a)の主人公の気持ちを答えよ。(10点)
問五 今後予想される展開を簡潔に述べよ。(10点)
【解答】
問一(1)憧れ(2)懇願(3)隙間(4)均整(5)膝
問二 アーモンドアイ
問三 チート
問四 憧れていた教授の自分に対する冷めた態度に面くらいつつも、逆にちょっとキュンとしている気持ち。
問五 主人公は成瀬教授のつれない態度にめげず、懸命にアタックする。叶わぬ恋に落ち込んでいるところに、一途な幼なじみやら年上の余裕を醸したサークルの先輩やらが出てきて主人公の心は揺れ動くも、すったもんだの末に結局教授とくっつく。
※以上の内容は、東北大学の入学試験とは一切関係がありません。