【新入生向け2021・秒撮】サン・ファン・バウティスタ号 ~りりしい使節船、3月末でお別れ~
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今から400年ほど前、西洋と貿易の交渉を行うため、仙台藩からヨーロッパへ出航した船がある。その名も「サン・ファン・バウティスタ号」だ。
石巻市にある「宮城県慶長使節船ミュージアム (サン・ファン館)」に展示されている復元船は、全長55m、高さ48m。船体後部にあしらわれた、緑地に金色の唐草模様の装飾が特徴的だ。船尾には当時仙台藩の領主だった伊達家の家紋、九曜紋が施されている。船首は海に向かってつながれ、展望棟からはサン・ファン・バウティスタ号の後ろ姿越しに、広大な太平洋が眺望できる。
船は東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた。さらに老朽化も重なり、今月末で解体されることになっている。
かつて仙台を貿易の拠点にするという野望を乗せ、過酷な航海に乗り出したサン・ファン・バウティスタ号。太陽の光を反射しきらめく海に今にもこぎ出さんとするようなりりしい姿を、いつまでも目に焼き付けておきたい。