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「大学生のレポート入門」~全学教育貢献賞を受賞~

 本学附属図書館副館長を務める有光秀行教授らによる全学教育科目「大学生のレポート作成入門―図書館を利用したスタディスキル―」が3月16日、全学教育貢献賞を受賞した。同賞は、大きな教育上の成果を上げた職員を表彰するために本学学務審査会によって設けられたものだ。本学学務審査会は、授賞理由は「平成16年度から積み重ねてきた授業運営技術と新しい企画を駆使して学生の満足度が高く優れた授業として成立させており、アカデミックスキルの実践教育として全学教育貢献賞に相応しいと判断した」と述べている。

本講義の授業のようす(渡辺氏 提供)



 「大学生のレポート作成入門―図書館を利用したスタディスキル―」(開講当初は「大学生のための情報探索術」)は副館長ほか別々の研究科・研究所に所属する5名の教員の協力体制で平成16年に開講された。本講義の開講当初の目的は、レポートや論文の正しい書き方を知らない新入生に、文章作成能力を養う機会を与えることであった。アカデミックライティングのスキルと図書館を利用した正しい情報の検索能力を高めることが講義の方針となっている。「時代や受講人数に合わせて講義内容は変化したものの、その目的は17年経った現在でも変化していない」と本講義を担当した渡辺正夫教授(生命科学研究科)は語った。



 本講義では、前半にレポートの書き方や自然科学・人文社会科学の両方の視点からの論文の書き方についての講義を行い、並行して図書館を利用した情報の検索を行う。図書館を利用した情報検索の意図について渡辺教授は、自身の経験を基に「最近は、Googleなどの検索エンジンを用いてWeb上の電子データから情報検索をすることが可能になったが、紙媒体の方が関心のない分野も目に入りやすい。」と述べた。また、中盤・後半には、レポートの査読や発表も行う。教員がそれぞれの採点基準に則って学生一人一人の書いたレポートにコメント付きの査読を行い、学生はそれに従って完成稿を作成する。教員がコメントをつけることで、学生のアカデミックライティングスキルの向上だけでなく、レポートを苦手としている学生の励みにもなっている。「このような講義形式は教員にとって時間的側面での負担が大きいため、他の教員はやっていないだろう。そのため、レポートを査読する仕組みは本講義の大きな特徴となっている」と渡辺教授は語った。



 本講義は、受講生の満足度も高い。学生からは「長い文章を書くことがおっくうでなくなった」などの反応が寄せられている。



 昨年度は新型コロナウイルスの感染拡大により、図書館利用が制限され、本講義は大幅の変更を余儀なくされた。しかし、17年もの間目的を同じままに講義内容、担当教員を変化させ続けた柔軟性によって、質を下げることなくオンラインにも対応することができたという。



 渡辺教授は、この講義の魅力について「本講義の魅力はさまざまあるが、学生により良いレポートを書いてもらうために教員ができる限りの時間を割いて査読することで、教員と学生の双方向のコミュニケーションが図れる点や、異分野を研究する教員によって講義が行われるため、さまざまな視点で物事を見ることができることだ。」と説明した。

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